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番外編⑥ もしも逆転世界線だとしても(side三初)※微
◆質問箱にて「三初受けをガチで見たい」といただきチャレンジした三初受けSS。
別世界線で本編無関係。
本編じゃ「逆転してもいいが先輩を虐めたい欲が我慢できないので不可能」らしく、絶対ないためご安心。
ノリはいつも通りであーる!
地雷ならば回避ですぞ!(腕ブンブン)
抱かれる側は性に合わない。
ただ、先輩にだけはまぁ、悪趣味な気分に興じてやってもいいかと思う。
だけど俺はお気に入りにほど構いたくなる性分なので……先輩にだけは抱かれてやってもいいのに、先輩だからこそ悲鳴あげてグズッグズになるまで抱き潰したくなるのだ。
大いなる矛盾。
別名を愛と呼ぶ。異論? してみたらいいんじゃないですか。俺の顔を見ながらね。
まぁなにが言いたいかって、それを愛と呼ぶからこそ──俺はノンケの男だった先輩様に最大級の譲歩を見せて、普段抱かれてやっているわけだ。
「オイ、見てンじゃねぇよ」
ベッドにゴロン。夜の営み中。
正式名称は性欲処理。
これを言うとしかめっ面で言い方がどうのこうのと唸る基本キレ顔の年上の恋人が、俺の腰をつかんで突き上げながら口元をへの字に曲げた。
ニヤ、と笑みがもれる。
仕方ない。ケツ捧げたのなんかあんたがお初ですし、根っから余裕を保つ性格なんで。
「だって暇でしょ。あんたの顔見てるくらいしか楽しみないじゃないですか」
「しかっ、テメ、黙れ男心クラッシャーがっ。俺じゃなかったら秒で萎えたからなそのセリフ……!」
「あ、萎えたらチェンジ」
「萎えてねぇわッ」
「っと、……ふ」
ガオウとキレながら深く挿れられ、一瞬息が詰まった。
や、割とイイもん持ってるんですよね、御割犬。俺のほうがデカいし硬いけど? 太いからね。迷惑なことに。
それでも蹴り飛ばして押し倒して突っ込んだりは、まだしない。
俺に煽られてキレる先輩は、脊髄反射で自分をいじる後輩に突っ込んでいても萎えない宣言の裏返しには気づいていない。
気づいていなければ、自覚がないままなら割とポロポロ俺が好きだと発する先輩がかわ、あー愉快だから。
それにここ、特等席なんだよね。
普段意地っ張りでガオガオ吠える先輩が、自分から俺に触って、抱きしめて、犬みたいに舐めたり吸ったり食いついてくる。
最中はほとんど喋らない。不器用だからだろう。
そのぶん全神経で俺を意識している先輩の顔を、思う存分観察できるポジションだ。
先輩の顔をオカズに扱く俺の手を上からつかんで、俺を感じさせようとする。
それだけでわかった。
俺はいっそうニマ、と口角をひねり上げて、性格の悪い笑みを浮かべる
「なんです、か」
少し、声が上ずった。
……ま、先輩って別にセックスヘタじゃないんですよね。
俺が抱かれる状況にあんま興奮しない性分ってだけで、普通に気持ちいいとこ触ってキますしね。絶対言わないけど。
ジワリと滲んだ粘度の高い液体はバレないよう、自分の指で絡め取って隠蔽。
それにも気づかず俺の手越しに愛撫し、裏筋や腹筋を爪の丸い指でひっかく先輩は、小刻みな律動の速度を上げながら、俺を見つめる。
眉間にシワを寄せ、赤い頬に汗を浮かばせ奥歯を噛む。
一見して怒りでキレそうな顔にしか見えないその表情。
「……三初」
そう。この声がイイ。
「なぁ……三初……」
「ん…はっ……くく」
この顔でこの声に呼ばれるとなかなかグッとくるものだから、ゾクゾク……ッと這い上がる気分にふっと息を吐いた。
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