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【先輩は綺麗でいながら 10】 *
◆fujossy様ユーザー企画投稿作品
★「絵師様アンソロジー夏」7月6日19時公開!★
【キーワード】
①プール
②読書
③先輩後輩
男子更衣室に置いてあるベンチに、浅水先輩が座っている。
「ん、ん……っ」
浅水先輩に抱き付くように密着して、何度も何度もキスをして、どのくらい経ったのだろう。
空白の時間を急いで埋めるかのように。お互いがお互いを貪るように、飽きもせずキスをする。
「はっ、ぁ……浅水、先輩……っ」
気付けば制服のズボンからベルトを外され、チャックまで下げられていた。
「岡本の硬いの、さっきからずっと当たってる」
「浅水先輩の、だって……っ」
恥ずかしくなって身じろぐも、浅水先輩は気にした様子もなく、俺のズボンとパンツを下げていく。
「ずっと抜いてなかったから、結構限界」
「あ……っ!」
浅水先輩の指が、後ろにゆっくりと挿入されていく。
「ん……っ」
思わず、小さく息を呑む。
すると浅水先輩の指が、いつもとは違った動きをし始める。
「……ん? なん、だろう……?」
いつもなら、ゆっくりと指を抜き差しして、少しずつ慣らしてくれる。
それなのに今回は、ゆっくりと奥まで挿れられたかと思うと、すぐに引き抜こうとして。……ピタリと、動きを止めたのだ。
浅水先輩がブツブツとなにかを呟きながら、なぞるように入り口に指を這わせる。
「……浅水、先輩……っ?」
いつものほぐし方と全然違う動きに、俺は目の前にいる浅水先輩を見た。
不思議そうにしている浅水先輩と、視線が重なる。そして、浅水先輩はもう一度……奥まで指を挿れた。
「……っ」
俺はまた、小さく息を呑む。
すると、浅水先輩が目を丸くして俺を見つめる。
「なんですか、その顔……っ?」
「オレも驚いているって言うか、なんだろう……」
「だからなに──あっ!」
俺が、あることに気付くと同時に。
──浅水先輩が、口を開く。
「……岡本、まさか──」
「言わないでくださいっ!」
浅水先輩の開いた口に、俺は慌てて手を押し当てた。
「──んぐっ」
くぐもった声を漏らす浅水先輩から、俺は視線を逸らす。
「いっ、言わないで、ください……っ」
慣らすべきか慣らさないべきか、随分と悩んだ。浅水先輩の手を煩わせるのは嫌だけど、ヤる気満々だと思われるのも恥ずかしくて。
嫌で、悩んで……悩んで。
──結局、俺は……。
──俺は、自分で後ろを、ほぐした。
それが、水泳部の練習時間に間に合わなかった理由。
小さく震えながら浅水先輩の口元を覆っていると、その手をペロッと舐められた。
「わっ、わわ……っ!」
驚いて手を離すと同時に、浅水先輩の指が一気に三本も挿入される。
「ひ……や、あっ!」
驚いて背筋をピンと伸ばす。
浅水先輩が、俺の耳元で囁く。
「自分で、弄った?」
口調は凄く穏やかなのに、行動は全然穏やかじゃない。
「あ、あっ! んんっ、や……ッ!」
普段のほぐし方とは、全然違う。三本の指が無遠慮に抜き差しされて、体が勝手に反応してしまう。
何回も浅水先輩に抱かれたからか、俺の体は後ろでも感じるようになってしまったのだ。
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