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上層部は神王に怯え、隠し続けてきた実体を目に入れた頃から? 否、異端天使を回収と始めた話を耳にした時には既に、私自身が怯(ひる)んでいた。 あの頃は、幼い子供が居ました。可愛くって、何よりの宝でした。 自分を差し出す覚悟をしたのも、神王に誰との間に出来た子供かを知られた瞬間(とき)。 ー…えぇ、私は偽善者。 苦しんでいる者を横目に自ら身体を献上すると契約した裏切り者。 七大天使の一人が聞いて呆れる。四大天使とも呼ばれている男が、周りを救うのではなく、自分の子を救う事に必死で笑える。 所詮は、魔族と交わり、生まれた『異端天使』ではないか。 何故、神を裏切り、天界を裏切った。なんて、自分を罵倒した時もあった。 意味は無かったんですがね。 賎しい大人だと心の何処かで思いながらも無垢な笑みを目にすると洗われるんです。その分、傷みを知っていくのです。 一つの歯車が狂い、消えていった命。 私が蒔いてしまった種。 せめてもの償いになるのなら、偽善者だけど、命以て、摘んで行こうと胸に誓った。開いていた日記を閉じ、私は窓から見える琥珀色に輝く満月を眺めた。 償いと一緒に摘んでいきましょう。 ー…運命のプレリュードを。

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