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兎に角、志龍様が書く小説は僕のドストライクなのだ。 描写されるシーンを含め、登場人物の情景とか、読んでいて引き込まれる。普通はサイトの方にアップしているんだが、僕の場合は紙媒体が好きで無理をお願いして一冊の本という形を作ってもらう。 だから、僕の住む家には数知れない志龍様の作品が溢れている。 「同じ由緒正しき旧家だとはいえ、足を運ぶ事はあまり無いですからね。その分、漣さんが来ると…『あっ、春ですね』って思います…」 「えへへ、志龍様に褒めてもらえて嬉しいです…」 「今回の作品も…お気に召してくれたら嬉しいのですが。はい、どうぞ…」 「有り難うございます」 一冊の本を渡され、有り難く感謝しながら鞄の中へしまった。 家に帰ったら早速読まないとね。でも、その前に…。

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