8 / 53
1ー3
策士というより、ハイスペックなド腹黒魔王と名高い志龍様らしい考えです。次に進む事を躊躇している自分に渡し船を差し伸べたのですから。
「――…逆らえないのは、本家とか分家とか…あまり関係ないか…」
硝子に映る自分を見て、自嘲気味に微笑う。
あまり気乗りはしないが、興味を抱かせた事には変わりなく。嗜虐心が狩られたのも、凌辱してやりたくなったのも本望だと思う。
あぁ…私は彼を抱きたいのか。
四十ハにもなって、まだ…欲求する力は残っているとは少々驚きものだ。
相手は若い。若いが故に扱うのは難しい筈なのに…。
それでも、あれを…あの“織 漣”を抱きたいと、壊したいと思うのか?
なぁ…。
倉科 海凰よ。
「ああいう、タイプは捻じ伏せたくなる…」
性格が歪んでようが、超絶絶品だろうが、私の下で鳴かせたくなる。
よがって、身悶えている姿を映したくなった。青い双眸が潤むまで…。
ともだちにシェアしよう!