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2ー2

周りが媚びを売る道具としか自分達を見ていないのだから、気に喰わなければ消し落とすのが旧家の世界。 笑い転げている漣自身も十分に解っている筈だ。綺麗な世界など存在する訳もないと。 必ず後ろに汚い物もセットなんだと。 「ってより…龍華家に足を運んできましたね…」 「あぁ」 「――…深李様に逢えましたか?」 漣の横に置かれてあった小説を見て、彼は聞いてきた。 「残念ながら逢えなかったよ。あー…折角、科白を読んでもらって癒されようとしたのに。深李さん、鳴澤家の若君の嫁になるって聞いたしね…」 何気に溢した言葉を耳にした男性は…。 「鳴澤家の若君の嫁?」 「ちょっ、いきなり襟首掴むなっ」 「深李様が鳴澤家の若君の嫁って…どいゆう事ですか!漣っ」 その尋問の仕方は、絞殺したい程、気になる内容だったのか。若干、絞まっていると訴えたい彼は、涙が微かに浮かぶ。

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