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「あー…言われればそうかもな…」 深李さん? 「仮にも龍華家の血筋な訳だし、自分の所有する者と判断した場合は…縛りたくなる性だよな!こうさ…誰にも触れさせたくないって言うの?自分だけが相手を独占しているのが即ち心地よく感じるんだ。神様も同じで独占欲が強くって、な…。気に入った人間は、とことん…可愛がる習性があると言うか。んー…エゴ?いや、違うな…。要は自分の所有する者だという証みたいなものか」 「…証」 「そう。だから…多分、海凰の場合も所有する者だという証が欲しい訳。俺、疎いけど…玩具として見ている訳でもなく…。況してオモチャとして啼かせたい訳でもないと思う。コイツ…母上様みたいな性格だけどさ、恋愛は俺と同じで初心者並みだし…」 えっ。 倉科家の若君が深李さんと同じ恋愛初心者? 俺から見て、恋愛初心者並みには見えませんが。若い頃に散々、青春をやっている感が漂っていますよ。 まさか、深李さん此処で天然を発揮しているのか? ちらりと彼を見れば、瞳がぎらりっと光り、物凄い笑顔を湛えている。 もしかして…図星? 幾ら応えを探しても脳内が拒絶する。 というか、顔に『文句ありますか?』と書かれているからこそ余計、触れたくない。 この人、恋愛経験豊富な割にはマジ恋をした事が無いんじゃないよな?

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