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普通は権力を持てる事なんて難しいもの。
実力が物を言う時代なら尚更、御曹司だからという理由で資格を与えたりしないわよ。織家なら余計、難しいと実感する。
『龍華家』・『倉科家』・『鳴澤家』・『織家』と沢山の家系があるけど、彼処は他の旧家より複雑な事情がある。
謎多き、織家と噂もあるくらい有名ですものね。ちょっとやそっとでは動じない誇りを持つ、自尊心高い方々が揃っているのだろう。
現に織 漣が良い見本だと思うわよ…。
海凰も今のうち、鳴澤家の若君から恋愛作法を学んでしまえば…私としては嬉しい限り。深李を見てれば嫌でも解るわ。
旧家の御曹司だからと言って、あんな風な雰囲気を漂わせているのは幸せの証。
深李にとって、今が幸せだと言われている気がしてならない。
見ている私が吐き気を覚えそうだわ。
実家に帰って来てまで、幸せオーラをだだ漏れさせているじゃないって…ツッコミを入れたいけど。
――…止めておこう。
私は、壁越しでクスクスと微笑い…その場を立ち去った。
良いんじゃない。
多いに罠を張っても。
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