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4ー10
「貴方様は好きかも知れませんが…私は苦手なので…」
にっこりと微笑み、倉科 海凰は織家の御曹司に呟いた。
否、普通はSMプレイを好む人間居ないでしょう。美人だから素質があるって事ですかね?
ま、気が強そうで…人を足で踏んづけてそうだもんな。
「誰が…誰が…女王様なんかやるかっ!!!」
「危ないですね。それに、短気でいらしゃる…」
「…っ」
悔しそう…。
「別に厭味を言っている訳ではないんですよ?深李様が落ち着いたら、お逢いになる事も出来ますし…。後、これ…」
「これ、何っ」
彼の前に一枚のCDを差し出す倉科 海凰。
「志龍様の小説が好きなら、深李様の朗読も好きなんじゃないかと思いましてね。前に送られてきた物です…」
深李さん、実家に送っていたのか。俺の部屋で卑猥な科白を立て続けに読んでいたらと思ったら。
お陰で俺の息子は悲惨な状態のままだった。
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