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5ー5
私が気に食わないのは解ったが、振り返らなければ賢かった。
大好きな深李様の極悪人面見たら…哀れだなって思う。
「駄目だ。どっか…飛んでいってる…」
「ふ、深李さんが元凶です」
「むーっ…」
「頬膨らませても、駄目です。何のスイッチが入ったか知りませんが…周りを恐怖に陥れるのは良くありません!」
霊感が強い深李様は毎年、春の季節になると気を乱してしまう。原因は鬱憤が溜まっているのかと最初の頃は推測したらしいが、全然解っていない。
元々、龍神は気性が荒い等と言われているけど、根本的な火種なのか親族も頭を悩ませているのだ。
「どうするんですか、織家の御曹司を…硬直させて…」
「んー…とりあえず、海凰…土下座」
顎で命令を出す深李様の瞳は据わっていた。
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