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第3話
それから高校に上がった将くんは一気に背も伸びて、カッコ良くなった。
急に将くんがモテだしてびっくりだけど、そんな将くんと親友だっていうのが僕の自慢になってしまった。
同い年とは思えないくらい大人っぽくなった将くんだけど、僕だけはみんなが知らない子供っぽいところを知ってる。
最近は、了解も取らずに、
「ストレス解消」
なんて言いながら、ほぼ毎日父さんの乳首を吸っている。
ストレスがたまると子供に戻りたくなるらしい。
僕は経験ないけど、女子に立て続けに告白されて、全員断ったりすると、悪いことはしてないのに悪いことをしたような気になって精神的に疲れるらしい。
そんなとき必ず、
「光輝、オレ、おじさんに甘えたい」
そう言って父さんと二人でお風呂に入りたがる。
この前は土曜日の午後ずっと一緒に風呂に入ってたらしい。
父さんが湯あたりしてぐったりしてた。
でも、あんまり女子を振ってばかりだから、どういうタイプが将くんの好みなのか聞いてみたら、
「おじさんみたいな人」
なんて言うんで僕は大笑いしてしまった。
大人っぽくても、こういうところがまだ子供だから、僕も一緒にいて安心できる。
この前父さんが
「将くんはモテるんだろう。彼女とかいるのか?」
って聞いてきた。
僕は思わず笑ってしまった。
「父さん、僕、将くんの好みのタイプ知ってるんだ!」
「どんなだ!?」
意外にも父さんが喰い気味に反応した。
「え〜?どんなだと思う〜?」
「そりゃ、可愛くて?優しくて?そんな子だろ」
当たり前すぎる答えについ、ニヒヒと笑ってしまう。
僕はソファに座る父さんの首にぎゅっと抱きついて
「父さんみたいなタイプが好みなんだよ!」
そう言ったら、
「はぁっ!? お前、何言って…!」
と、父さんがびっくりして振り返った。
「はぅっっ!」
驚いてた父さんがさらに息を詰める。
その視線の先には将くんがいた。
なんだか将くんが怒っている。
僕が勝手に言っちゃったから怒ってるんだろうか。
襟首をぐいっと引かれ、父さんから引き離された。
「おじさん、少し話があります。車を出してください」
父さんは敬語がちょっと怖い将くんにどこかへ連れて行かれた。
数時間後に帰ってきた将くんはさっきまでの不機嫌さがウソのようにご機嫌で、
「光輝、さっきはごめんな?オレ、ちょっと光輝におじさん取られるんじゃないかって、勘違いしててさ。でも、二人は親子だもんな」
なんて言っていた。
何を勘違いしたのかはよくわからない。けど、将くんと父さんは他人だけど、もうほとんど家族みたいなものだし、そんなヤキモチは焼かなくていいと思うんだ。
でも、随分遠くまでドライブに連れ出されたらしくって、父さんはぐったりして腰をさすっていた。
長距離の運転くらいでこんなぐったりしちゃうなんて、普段現場に出てるとはいえ管理職だから身体がなまってるのかもしれない。
あ!だからか!
二人の髪がちょっと濡れてて、嗅いだ事のないシャンプーの香りがしてたんだ。
きっと将くんが勘違いで怒ったお詫びに、疲れがちな父さんを気遣って、温泉にでも寄ったんだろう。
そんな親子同然の関係が一変したのは、先週のことだ。
急に将くんがソファに座ってる父さんの後ろから、女の子にするみたいに胸をもみ始めた。
僕は自分の目を疑った。
父さんも初めは困ったようにゆるく振り払っていたけど、だんだんされるがままになってしまった。
えっ?
ええっ?
将くんは女子にモテるんだからもみたければ女の子のおっぱいを揉めばいいと思う。
なにも父さんの胸をまるでおっぱいみたいに揉まなくても。
後ろからだと父さんの顔が見えないから、女の子を触ってる気分になるのか、将くんはすごく嬉しそうで、ちょっとだけエッチな顔をしている。
それを見ている僕は、どう注意したらいいかわからない。
なんで急に将くんが父さんの胸を女の子のおっぱいを見るみたいな、やらしい目で見るようになったのかもわからない。
でも、しばらくして思いきって将くんに言ってみた。
「父さんの胸をまるで女の子のおっぱいみたいに揉むのはどうかと思うよ」
それに対して、将くんはきっちり理由を教えてくれた。
「光輝がオレの好みのタイプはおじさんだって伝えてくれたんだろ?なのに見せつけるように裸で座ってるおじさんが悪いんだよ。光輝だって好みのタイプの子のがおっぱい出して座ってたら触りたくなるだろう?」
そんなシーンに遭遇すれば、たしかにそうかもしれない。
けど、居間で父親が胸を揉まれるのを見てるのは少し複雑な気分だ。
「父さん風呂あがりにちゃんとシャツ着てって言っても全然きいてくれないんだよね」
「ほら、やっぱりおじさんが悪い」
「でも、僕も将くんが父さんのことエッチな目で眺めながらおっぱい…じゃなくって胸を揉んでるところを見てるのはちょっと恥ずかしいから…。あ、風呂あがりは父さんに自分の部屋に行ってもらえばいいのか!」
次の日、父さんに風呂あがりに自室へ行ってもらった。
そしたら当然のように将くんも父さんの後について行ってしまった。
今頃、将くんは父さんのおっぱ…胸をイヤらしい目で見たりモミモミしてるんだと思うと、直接見ていた時と変わらないくらいドキドキしてしまう。
僕が夕食を作っていると
「ん…あっあああっっ!」
と、声が聞こえてきた。
えっ!!!!コレって喘ぎ声じゃないか?
は、初めて聞いた!
「ぁあっ!あっ!ああダメっっ!こんなっ!」
でも、これは父さんか将くんの声だから、僕が興奮するのは変だ…そう思って自分を落ち着けようとするけど、どうにもおさえられずに勃起してしまった。
家族の声で勃起するなんて恥ずかしい。
「あっっんん!んんン!そこっ!うはぁンっ!」
どんなエッチな事をしてるのかとか全く想像つかないのに、すごく興奮してしまう。
「ふぅん!ふっはぁっっ…ァあっ!イイ!」
ダメだ、こんどから父さんには夕食後にお風呂に入ってもらうようにしよう。
そうしたら、将くんもエッチな目で父さんを見ないし、僕も調理中に勃起しないですむ。
「あっスゴイ!激しっ!こんなっ光輝に聞こえるからっっ!あっぁあっイクッ!イクッ!」
でも、父さんがお風呂に入らないと、将くんがストレス解消で乳首を吸いたい時に困るかな。
あ、そうだ、今度から将くんにも夕食を食べていってもらって、そのあと二人でお風呂に入ってもらえばいい!
「んっっ!ぁあっっっっくっっ中っ!いっぱいぃっっ…!」
そうだ、そうしよう!僕って頭いい!
[終]
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