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※第10話
口を開けているせいか、ユキオの口元からぐちゅぐちゅと卑猥な音が鳴る。
「……っン、ぁ……たひ、が……」
真っ赤に染まった頬の温度が触れたところから伝わってくる。
――熱い。
口が閉じられないせいで上手く喋れないのが庇護欲をそそられた。
ジッと見続けていると視線から逃げるように首を振られる。
それでも尚絡めているとやめろ、と蹴りを繰り出してきたので乗しかかって無理やり押さえつけた。
時折頬や腰を撫で上げると感じているのかくすぐったいのか、震えながら反応を返してくる。それが何だかクセになって好き勝手しているとそのうち足にユキオの兆し始めたものが当たった。
流石にそれを見たら萎えるかなと頭の片隅で考えていたがそんな事はなく、むしろ自身の息が上がったのが分かる。
「……は……っ、」
口に突っ込んでいた手を引き出す。
唾液で濡れた指先から銀の糸が引いた。そのままの手で股間を弄ると流石に悪態が飛んでくる。
「……っばか!さわん、な」
困ったように眉根を寄せ、真っ赤な顔で怒鳴るがあまり効果はなかった。可愛い。
むしろ本気で嫌がらない様子に期待で胸が高鳴る。
「……ン、ぁ……っ」
ごそごそとまさぐるとその手を止めようと必死になって腕を動かすが抜け出せないらしい。俺にとってはあまり抵抗らしい抵抗にもならずそれが何だか無性に興奮した。
「わり、止まんねー」
「……っ、やめ……っ!!」
勢いのまま制服のズボンを性急に寛げると手を差し入れる。直に触れた瞬間、ぶるりとユキオの身体が震えた。
俺よりも少し小さいが、同性の象徴であることには変わりない。もっと嫌悪感を抱くものと思っていたが全くと言っていい程そんな感情は起きなかった。
「……ぁ……っくぅ」
声が上がりそうになり、ユキオが自身の唇を噛む。
思いっきり噛んでいるからか、柔らかな唇が歪んで見えたそれが不快で無意識に眉をひそめる。
「噛むな」
興奮しているからか、いつもより低い声が出た。
それに反応したのか、ユキオが目を見開く。そうやっているといつもより幼く見える。
驚いている間に少々強引めに口を開けさせるとそのまま口付けた。
舌を割り込ませると思いっきり噛まれる。
鉄の味がするので痛いのだろうが、やはりこちらもあまり気にならなかった。
「……ん……ふぅ……ァ、」
がじがじと噛まれながらも舌を絡める。そのまま手も好きに動かした。ぐちぐちと音を立てさせてユキオのを扱き上げる。
ズボンが汚れるなと思ったが取り払う余裕がない。
ただただ喘ぐ声が心地良くてそれを聞こうと夢中になって手を動かした。
「……ァ、あ゛……っ!たぃ、が……っ!」
擦り続けるとビクビクと反応が返ってくる。
一番反応の良い場所をあえて擦ると泣き声にも似た喘ぎ声が上がった。
名前を呼ばれる度にどうしようもない程心臓がバクバクと脈打つ。キスするのをやめてその表情をジッと見つめた。
滅多に見ない涙目のせいでうるうると深い青が揺れている。目尻も頬も鼻の頭も――どこもかしこも真っ赤に染まっていた。
両腕を纏め上げているので縋るところが無いからか、はたまた顔を隠したいのか、その状態で頭上に上げている俺の腕に顔を寄せてくる。
その行為に愛らしさを感じるのだからどうかしている。どうかしているとは思うのだが、なんとも言えない充足感を得た。
「……ぁ、たいが……はな、はなせ…!」
ユキオの顔を見るのについ夢中になっていると、その間に限界が訪れていたらしい。扱きあげるとユキオの腰がガクガクと震えていた。
はあはあとひっきりなしに息を吐いているからか、真っ赤な舌がやたらと目につく。
あ、イキそうなんだなと頭の片隅で冷静に思う反面、どんな顔でイクのか見てみたいと強い欲求が湧いて出た。
「や、はなせってば……ぁ……っ、」
「無理……っ、」
懇願するユキオを一蹴するとスピードを落とすことなく一気に責め立てる。
それに翻弄されて目を見開くのを食い入るように見つめた。
「ン……っあ゛ぁ!」
イク瞬間、ボロリと目尻から涙が零れる。
はあはあと息を荒げる火照った顔が色っぽい。
そこでようやく拘束していた腕を解いた。
流石にイった直後だからか、ユキオは暴れる様子もなく解かれたままくたりと腕を投げ出した。
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