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第1話
「ハァハァハァ…っっ‥ハァハァ…」
心臓がバクバク言い、体温が上がっている。いつもは抑制剤を飲むので、この感覚は久々だ。久々だけど、分かる。
ヒートが始まった。
(なんで、よりによって、ここで、このタイミングでなんだっ!)
汗が滲む頭を抱える。
コンコン…
焦る俺の心情とは裏腹に、軽いノック音が部屋に響く。
「裕太。凄くいい匂い…」
(やめろ、、、)
「始まったんだ…」
(やめろ やめろっっ!)
「ヒート…」
ドア越しでも、奴のにやけた顔が分かる。
ガチャガチャガチャ‥
「ねぇ、開けてよ。大丈夫だよ。無理矢理に番おうなんて思ってないよ。抑制剤もこっちにあるよ?」
奴の言うことなんて到底信じられない。
「強情だなぁ。こんなドアすぐに蹴破れるよ。‥まぁ、俺としては、抑制剤抜きで、丸々1週間楽しめる方でも全然よいよ。そうだね、1週間あったら、おねだりさせたり、ゆうたが上で自分で動いてもらったり、、あっ、我慢させるのもいいなぁ〜、で、最後はもうこれ以上は出ません。許してーって 泣かせるの!」
奴が嬉々として恐ろしい話をしている。。
結局ヤル気なんだろ。
「うるせー!変態野郎っ!」
身体の熱は更に上がっているが、一方的に言われるのもしゃくなので叫ぶも、情けないほどに震えた声が出てしまう。
「‥ふっ、、声、凄い震えてるね。可愛いなぁ〜」
ほら、ドア越しに変態が喜んだだけだ。。
「まぁ、そんな手荒にしないから信じてよ!俺としては、ゆうたがΩだって分かっただけで、充分な収穫だったしさ。何となく、前から気づいたけど。」
無意識に、苦虫を噛み潰したような顔になる。
そうだ。なぜ、よりによってコイツに‥
「まー、Ωだから、ヒートの時に人前に出たくないのは分かるよ。無理矢理に、番にされる事を警戒しちゃうんでしょ。けどさ、安心してよ。無理矢理になんてしないって。だって、」
嫌な感じだ、、、
「裕太から 番にして下さい って言わせる方法なんて、腐る程あるからさ。」
あぁ、、、
本当に最悪だ。
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