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亜利馬、昇った先はセクハラ天国?◆2
潤歩と大雅がお菓子を食べながらぼんやり見守る中、卑猥なビキニを着けた俺はベッドの上で身をくねらせながら竜介と獅琉の愛撫に酔いしれていた。
「んん……あ、……肌、熱い、です……」
エアコンはちゃんと効いていて涼しいのに、二人に触れられたところだけ灼けるような熱を持っているみたいだ。ビキニの締め付けも何だかドキドキするし、まだ指一本触れられていないのに早くも下半身は反応している。
「亜利馬、可愛いのにはしたないね」
「ああ。こんなに物欲しそうに腰をくねらせて、悪い子だ」
息ぴったりの竜介と獅琉。この二人にかかれば、その気にならない男なんてあんまりいないんじゃないかと思う。
「上から順に食べてやろう。……亜利馬」
竜介にキスをされると思って、そちらに顔を向けた。が――
「トリプル!」
「わっ」
突然割り込んできた獅琉に強引に顔を正面へ向けられ、俺は生まれて初めて三人でのディープキスというものを体験した。
「はぁ、……」
「ん、……亜利馬、……」
竜介と獅琉の舌が俺の舌にぬるぬると絡む。二人の高い鼻が当たって少し痛いけど……これって何だか、凄くエロい。
「亜利馬、キスだけで大きくしてるな」
「あっ、……」
竜介の指がトラ柄の上から俺のそこにつ、と触れた。それだけでビクついてしまって情けないけど、こんな格好をしているせいもあっていつもより敏感になっているみたいだ。
「駄目だよ竜介パパ。ちゃんと上から順に、でしょ」
「ははは、そうだったな」
竜介のシャンプーの香りと、獅琉の爽やかで甘い匂い。二人がもぞもぞと身を下げて俺の首や胸板にキスをする度、その匂いで一層胸が高鳴ってしまう。これから約束された快楽を与えられるんだと思うと、恥ずかしい反面早くして欲しい気持ちもあって、複雑だった。
潤歩と大雅が見ているのに……
「亜利馬は幾つになったんだっけ? 十八か。体もだいぶ大人の男らしくなってきたんじゃないか?」
「ぜ、全然……竜介さんに比べたら」
「末っ子の成長は嬉しくも寂しくもあるよね。――ほら」
「あっ!」
獅琉の指が水着の生地ごと俺の乳首を摘まんだ。
「こんな小さい乳首でも感じちゃうんだもん。誰がこんなエッチな体の子にしちゃったんだろうね?」
「そりゃあ、誰のせいでもないさ。単に獅琉に似たからだろ」
「えー、俺こんな敏感じゃないよ?」
「そうか? 結婚当初はお前にねだられて毎晩乳首攻めしてやったと思ったが」
「もう、竜介ってば。亜利馬の前でする話じゃないでしょ」
――凄い。カメラも台本も無いのに……めちゃくちゃ役に入り込んでる、この二人。
「ふ、……う、……」
獅琉が俺の乳首を捏ねながら、俺の耳にわざと甘ったるく囁いた。
「亜利馬はココが好きなんだよね。……存分に可愛がってあげたいのに、竜介の趣味でこんな格好してるから無理かな?」
「や、……獅琉、さん……指、やだっ……」
「指じゃなくて、舌がいいんでしょ? こういう時に俺達が何て言っておねだりされれば喜ぶか、亜利馬は良い子だから分かるよね?」
分かってる。獅琉が喜びそうなことは、大抵分かっているつもりだ。
「……う」
だけどメンバー全員が見ている前で、そんなことをするわけには……
「亜利馬? ママの言うことはちゃんと聞けるよね?」
「………」
駄目だ。この獅琉の目に見つめられると、体の芯からゾクゾクして何も考えられなくなってしまう。
「し、りゅう……さん、りゅうすけ、さん……」
俺は乳首を覆っていたトラ柄のマイクロビキニをちらりと捲って、熱っぽく二人を見つめながら「おねだり」した。
「亜利馬の……おっぱい、ぺろぺろで気持ち良くシて……?」
「っ……」
「ああぁ……亜利馬、可愛いよう! 好きなだけぺろぺろしてあげるからね!」
な、何だか獅琉が秋常みたいなキャラになっている。竜介は獅琉が俺に何を言わせたいのかよく分かっていなかったのか、顔が真っ赤だし。
「んー、亜利馬の桜色の乳首、美味しそう」
「ふあっ、あ……!」
いただきます、と獅琉が俺の右の乳首に唇を被せた。そのまま口の中でねっとりと舌が動き、待ち望んでいた甘い刺激に身体の全部、つま先まで痺れ出す。
「あぁ、……あ、気持ちいいです、……もっと……」
「ほら、もっとだって。竜介パパも可愛がってあげて」
「あ、ああ。……亜利馬、欲張りな子は嫌いじゃないぞ」
この状況は欲張りだと、自分でも思う。撮影でもないのにトップモデル二人に愛撫をお願いして、体中が痺れるような気持ち良い快楽を与えてもらって。本当ならこんなの、大金を積んでも不可能なことなのに。
「あっ、あぁ……両方、されるのほんとに、……気持ち良くてっ……!」
贅沢すぎる。分かってるのに、欲望が止まらない――。
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