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君も寝癖も(6)

「そっか」 吐息のように、安堵の声が漏れた。 吉川も、俺のこと好きなんだ。 「吉川」 好きだ。 大好きだ、って、体中が言ってる気がする。 何て言えばうまく伝わるのか、そんなことは分からないけれど。 胸の中がくすぐったくて、 ドキドキうるさい鼓動が痛くて。 好きって気持ちがでっかくなって、ずっしりと重くなって。 口元が、緩んだまま戻らない。 「吉川……」 俺のものになったんだって思ったらもう、叫びだしたいくらい。 「大野」 「ん?」 「顔、にやにやしすぎっ、」 吉川が、上目遣いで俺を見る。 そんなの、にやにやしない方が無理でしょ。 「仕方ないじゃん、吉川が好きなんだから、嬉しいんだよ」 「……ばか」 「でもそういう吉川だって、にやにやしてるじゃん」 「だって、俺だって嬉しい……」 見ちゃダメだと、吉川が俺の目を手で隠す。 俺はその手を掴み、甲にキスをした。 「ねぇ、もっかいキスしていい?」 「……うん、」 こつんとおでこをぶつけてから、鼻をすり合わせ、くすぐったいよって笑う吉川の目蓋にキスをした。 見つめ合って笑って。 それからさっきよりも長く深く、その唇を塞いだ。 END

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