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これから始まる(7)

でもいつまで経っても言ってくれないから我慢の限界って、彼はそう言ってかぷりと俺の耳を噛んだ。 「でもさぁ、」 「ん、」 「ひかるが言えるわけないよなぁ。相手のことすごく考えてしまうから、気持ち伝えたら迷惑になるとか考えてたんだろうし」 「……っ、」 「だけど、そういうとこも好き」 大きいその手で、そっと頭を撫でられる。 それから指先を俺の髪に絡め、くるくると回した。 「ねぇ、ひかる、」 「なに、」 「すっげぇ好き」 もう、もうさ。俺だって、限界だよ。 「ばか」 だって俺の方が、好きの気持ちが大きいに決まってるんだから。 背中に手を回し、きつく抱きついた。 彼の心音も聞こえる。 どくどくと早く動く俺の鼓動に負けないくらいに彼の鼓動もうるさい。 でもそれがまた、嬉しくて心地良く感じる。 「好き、」 「知ってる」 「……すごい好き」 「だから、知ってるって」 「好き、」 「あぁもう、だからさぁ」 それ以上言ったらヤバいだろって、おでこをコツンと弾かれた。 痛いと叫んで拗ねた顔を見せれば、ごめんと言ってそこにキスをしてくれる。 そんなことされたら、もっと言いたくなるじゃんって調子に乗って口を開くと、呆れた顔をしながらもなんだか嬉しそうに彼が俺の口を塞ぐ。 口を塞ぐのを言い訳にしてキスをしたいだけだろってからかえば、それを分かっててわざとうるさく言うんだろうって反論されたからもう何も言えない。 しばらく黙ったまま、彼を見つめる。

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