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強がりないちご(4)

日曜日。 特に何もすることがなく暇な俺は、朝からずっとベッドでゴロゴロしていた。 「暇だなぁー」 時間はあるのにやりたいことが思いつかないから余計に退屈。 「あー、暇だぁ」 起きあがってみればいいものを、それすらも面倒に思い、なかなか体を起こすことができない。 「森川何してんのかなぁー」 アイツも暇してるのかな? 今から、連絡してみようか。 もし暇なら遊べばいい……って、何して遊ぶのかって問題があるよな。 映画? 最近話題のやつでも見に行く? いや、でも、何でお前と映画行かなきゃいけないんだよって断られたらダメージでかいな。 そもそもいつもケンカばっかりしてるから、遊びに誘うのもなかなかだもんな。突然誘ったりなんかしたら、それこそ言い合いの原因になってしまいそう。 「でも、会いたいなぁ……」 森川の、声が聞きたい。 頭ぽんぽんされるのも、嬉しいから好き。 意地悪なこと言うくせに、優しさの浮かぶ瞳も好き。 「森川、好き。……って、俺は何を言ってるんだか、あははは……」 あぁもう、本当に嫌になる。 こんなこと考えたり言ってしまったりした自分がとても恥ずかしい。 何で学校のない日まで、アイツのこと考えなきゃいけないんだ。 あんな奴のことなんか。 あんな奴の……。 『綾瀬』 『お前はばかでいいんだよ。ばかでも可愛いから』 「ぎゃあああああ」

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