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強がりないちご(5)
もうやだ、本当にやだ。
自分が怖い。さっきから何をしてるんだ。
森川の声が、リアルに脳内で再生される。
塞いだところでどうにもならないのに、俺は思わず耳を塞いだ。
ばくばくとうるさい心臓。
森川のこと考えただけでこんなふうになってしまうだなんて、俺はかなり重症だ。
これ以上好きになってしまったらどうしよう。
気持ちがいつバレてしまうか分からない。
いつまで、俺が黙っていられるかも、分からない。
ふとした瞬間に爆発してしまったら、俺はどうなるんだろう。
「ああ! 最悪だ!」
誰かを好きになるって大変なこと。
色んな感情に振り回されてすごく疲れるなぁ。
俺はパンパンと頬を叩いて、ベッドから起き上がった。
面倒だからって、いつまでも寝てるからいけないんだ。
起きなきゃ起きなきゃ。
立ち上がり伸びをすると、それから軽く体を捻ってストレッチ。
窓を開けると心地よい風が吹いて、少しだけ気持ちが楽になった。
部屋にこもってると思考もじめじめしてくるから、どこかに出かけた方がいい。
そういえば最近、近くに書店ができたって誰かが言っていたっけ?
そこにでも行ってみようかな。
「よしっ!」
俺は適当に服を選び、出かける用意をした。
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