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前編

「…はっ、…はっ、……っン、…ま…じゅ」 俺は熱を吐き出しベタついた自身をティッシュで拭った。 はあ、と息をつき丸めたティッシュをゴミ箱に投げ入れると、先日の彼との行為を改めて思い出した。 (……マジュ、すごかったよな) 自分の上で淫らに腰を振るマジュ。その姿に男心を鷲掴みにされ支配欲、征服欲を掻き立てられたが全く敵わず、終始俺は翻弄し続けられた。 そんな妖艶なマジュの姿を思い出していると、さっき熱を吐き出したばかりだと言うのにまたしても勃ち上がりつつある自身。 だが俺は、あるモノも残像として脳裏に焼き付けていた。 行為の最中、俺とマジュの間で滾り蜜を溢していたマジュの肉棒だ。 ソレがマジュが腰を振りたくる間、大きく勃ち上がり蜜を垂れ流して揺れていたのだ。 俺は自身の後ろで窄まりが疼くのが分かった。 (…アレが、俺のナカに入ってきたら…どうなるんだろ…) まだ暴かれた事のない窄まりに、マジュの肉棒が捩じ込まれていく…。 と、考えただけでゾクゾクしてくる。 俺はパンツごとズボンを脱ぎ捨てベッドの上に横たわると、足を大きく開き指で窄まりに触れなぞった。 ローションを纏った指がグチュグチュと音をたて、後孔を往き来する。 真珠を思ってした事のあるその行為を、今はマジュを想ってシている。 「…は、…あ、あ、…マジュ、マジュ」 マジュので、俺のナカを擦って欲しい。 メチャクチャに突き上げナカにブチ撒けて欲しい…。 それと同時に蘇る感覚にも囚われる。 「…ぅ、…くぅ、…マジュのナカ、熱くて締め付けて…きて、…は、…あぁ」 気づけば俺は、自身と後孔を同時に弄っていた。 もはやマジュに犯されているのか、マジュを犯しているのか、混濁したまま俺は達してしまった…。 数週間後、俺はマジュとラブホで会っていた。 部屋に入ってすぐ、俺は自分からマジュに抱きつき唇を合わせていった。 クチュクチュと舌を絡ませ溢れる唾液を飲み込むと、離れた唇から吐息が零れる。 「…なんだ。今日は随分と積極的だな、瑪瑙?」 「…会えない間、ずっとマジュを想ってた。ずっとアンタが欲しいって思って、」 俺は言葉の途中でそのままマジュをベッドに押し倒す。 だが、余裕の笑みを浮かべるマジュは特に焦った風もなく、寧ろ俺の様子を楽しんでいるようだった。 「…そんな発情した獸みたいなお前に押し倒されんのも悪くねぇな」 くくっと笑うマジュに俺は頬を膨らませた。 「…マジメにやれよ、マジュ。せっかくの雰囲気が台無しだろ」 「ふっ…わりぃな。で?俺はどうすればいいんだ?ここでマグロになってりゃいいのか?」 尚もニヤニヤ笑うマジュに噛みつくようなキスをする。 「…もう、黙れよ」 「…ああ、分かったよ」 俺が真剣な目で見つめると、やっとマジュは応じてくれた。 俺はもう1度、唇を合わせる。 真珠と同じ煙草の匂いがするキスに、頭の芯がクラクラきて溶けてしまいそうだった。 存分にマジュの唇を堪能すると、俺は顔を上げ身体を下にずらしながらマジュの服を乱していった。 露わになるマジュの逞しい胸板に吸い寄せられるように口づける。 チュッと赤い痕を残せば、マジュに自分のモノだと所有印を付けた気になり気分が高揚した。 いくつも痕を付けていると、マジュの手が動く。 「…いつまでやってんだ。オラッ、テメェも脱げ」 脱がしにかかるマジュの手の動きがいやらしい。 「…ちょっ、…ま、まてっ、…ぁう…」 半身を起こし俺の服を剥ぎ取りながら俺の首筋に顔を埋めるマジュ。 ベロリと舐められ快感で身体が震える。 気づけば上半身裸にされていた。 「も、もう、待てってば!」 俺はマジュを引き剥がすと、首筋を押さえながらマジュの身体を押し返しベッドに沈めた。 「今日は俺からスんだから、マジュは動くなっ」 「…まどろっこしくて待ってられねぇんだよ。…それにオラッ、テメェのが早く入れてぇって主張してんぜ?」 そう言ってマジュが俺のズボンの膨らみに触れてくる。 「…っ。だ、ダメだ!今日はマジュので、イキたいんだ!」 俺はマジュの手を掴み退けると、マジュ自身をズボンの上から握り込んだ。 「……………え?」 だがソレは、完全には勃ちあがっておらず、まだまだ入れる程の硬さにはなっていなかった。

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