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宙水様 『 また、あした 』
宙水さま
また、あした。
「 なんだ、珍しいな、
日本語読んでるのか?
それにしても漢字に全部ローマ字が振ってあるから、読みにくく…… 」
って
寝てるのか……
珍しく休日の重なった恋人の膝の上には、
数枚のプリントアウトされたA4大の紙が置かれている。
バスローブの少し緩んだ合間から覗く太ももを隠す様に置かれたそれは、日本語で。
殆ど日本語の、特に漢字は苦手なジュンヤの骨ばったそれでいて風呂上がりのややピンクに染まった膝の上には実に不似合いなものだった。
落ちそうなそれをどかす、という理由と、
膝の奥の仄かに熱を持ったそこに誘われたという理由と、
まぁ、どちらにしても結局は数枚の紙はどかすことになるのだが……
指で掴んだ紙を少し離れた卓上に置くと、
ため息の様な篭った吐息が聞こえてくる。
ゆっくりと背後を振り向けば、
うたた寝から醒めたジュンヤが不満そうに頬を膨らます。
「 それ、読んでたんだ……」
「 面白いのか?」
「 うん、凄く面白いよ。
日本の男子高の話なんだけど。
三角関係?あぁ、ちょっと違うな。
なんか甘く蝶を誘う様な、蜜をさ、
ハイスクールの男の子と、
ひとりはスレた大人、もうひとりは、なんか面白い表現してたな。
背中に定規がどうのって……
そして、
秘密の蜜を狙うんだ、
うばいあうって感じでさ……
They are being eaten up with jealousy
凄いダークでスイートで、特にさ 」
「 色っぽい……なんて言葉知ってるのか?」
「 うん、俺サックス吹いてるとよく言われる 」
「 へぇ、よく言われるって、ねぇ
その話の中で、とくに誰か気に入ったのか?」
「 ふふ、内緒だよ……
なにもかもあんたに話したら、、、
面白くないじゃない?」
近寄り、お互いの肌がたてる匂いと熱を奪い合う時間。
こいつは頭の中でこのオレの知らない三人に色を付けるんだろうか……
妬けるな。
また、あした
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