7 / 13

山科かー©︎様 『大丈夫、豆腐の角に頭ぶつけてもホントに死んだり』しないから

山科かー©️さま 大丈夫、豆腐の角に頭ぶつけてもホントに死んだりしないから ある日、オレの得意なコンビニで、何やら店長とバイトがもめている。 「 うっす! 何やってんですか? 」 「 え!」 同時に振り向いた店長とバイト君の顔は、なぜかおさるのお尻の様に真っ赤っか。 彼らの手の中にはそれぞれ一冊の薄い本が、 「 うん?何スカ?それ 」 指差すと、 「 こ、これは 」 と更に赤くなる店長と、 元気よく応えるバイト君。 その子はひかる君と言うこの店のアイドル?ん?そうだっけか? 「 この本、俺のお薦めなんです!」 「 その本?」 「 お、おいひかる君、そんな、この人は…… 」 「 お薦め? 」 差し出されたのを思わず手に取った俺の手の中の本の題名は、 『大丈夫、豆腐の角に頭ぶつけてもホントに死んだりしないから 』 「 変わった題じゃね? 」 「 はい!でもこれ、 すっごく面白いんですよ! 俺、キヌガサ君の心の戸惑いがものすごい同感しちゃって、 それにワタヌキの駆け引きっていうか、気持ちのいいズルさっていうか。 俺大好きで、あ、続編も連載中なんです!」 キヌガサ君? ワタヌキ? なぜ呼び捨て? 俺の頭の中は盛大なハテナでいっぱいだよ。 「 ひかる君、この人ノンケなんだから言ってもわかんないって 」 店長の言葉に引っかかる俺。 「 何スカそのノンケって 」 「 いや、そのその、そのノンが、ケーとか……」 「 お客さん、BL って知ってますか? ここ、 このコンビニの中でBLコーナーを」 慌てて店長がひかる君の口を塞ぐ。 そういや、店長とひかる君の間には何やら、見慣れない絵を貼り付けた本が積み上がってるけど、 俺はもう一回自分の手の中の本を目の前に持ち上げた。 「 山科 かー?©︎? 」 おもろい名前のこれ作者か? なんだよ最後の©️は その時、 おもむろに背後から忍び寄った人が俺の耳元で呟いた。 「 はい……山科 かー ©️ です 」 大丈夫、豆腐の角に頭ぶつけてもホントに死んだりしないから。 | 山科かーⒸの小説 - BL小説・漫画投稿サイトfujossy[フジョッシー]

ともだちにシェアしよう!