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山科かー©︎様 『大丈夫、豆腐の角に頭ぶつけてもホントに死んだり』しないから
山科かー©️さま
大丈夫、豆腐の角に頭ぶつけてもホントに死んだりしないから
ある日、オレの得意なコンビニで、何やら店長とバイトがもめている。
「 うっす!
何やってんですか? 」
「 え!」
同時に振り向いた店長とバイト君の顔は、なぜかおさるのお尻の様に真っ赤っか。
彼らの手の中にはそれぞれ一冊の薄い本が、
「 うん?何スカ?それ 」
指差すと、
「 こ、これは 」
と更に赤くなる店長と、
元気よく応えるバイト君。
その子はひかる君と言うこの店のアイドル?ん?そうだっけか?
「 この本、俺のお薦めなんです!」
「 その本?」
「 お、おいひかる君、そんな、この人は…… 」
「 お薦め? 」
差し出されたのを思わず手に取った俺の手の中の本の題名は、
『大丈夫、豆腐の角に頭ぶつけてもホントに死んだりしないから 』
「 変わった題じゃね? 」
「 はい!でもこれ、
すっごく面白いんですよ!
俺、キヌガサ君の心の戸惑いがものすごい同感しちゃって、
それにワタヌキの駆け引きっていうか、気持ちのいいズルさっていうか。
俺大好きで、あ、続編も連載中なんです!」
キヌガサ君?
ワタヌキ?
なぜ呼び捨て?
俺の頭の中は盛大なハテナでいっぱいだよ。
「 ひかる君、この人ノンケなんだから言ってもわかんないって 」
店長の言葉に引っかかる俺。
「 何スカそのノンケって 」
「 いや、そのその、そのノンが、ケーとか……」
「 お客さん、BL って知ってますか?
ここ、
このコンビニの中でBLコーナーを」
慌てて店長がひかる君の口を塞ぐ。
そういや、店長とひかる君の間には何やら、見慣れない絵を貼り付けた本が積み上がってるけど、
俺はもう一回自分の手の中の本を目の前に持ち上げた。
「 山科 かー?©︎? 」
おもろい名前のこれ作者か?
なんだよ最後の©️は
その時、
おもむろに背後から忍び寄った人が俺の耳元で呟いた。
「 はい……山科 かー ©️ です 」
大丈夫、豆腐の角に頭ぶつけてもホントに死んだりしないから。 | 山科かーⒸの小説 - BL小説・漫画投稿サイトfujossy[フジョッシー]
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