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密鳥様 『 ねこのお兄さん 』
密鳥さま
ねこのお兄さん
あれ?
高光はいつも帰りに通りかかる公園にいる二人の漢に視線を向けた。
どうしたんだろう……
あんな所に座り込んで何見てる?
身体のいかつさがすっごい親近感の湧く二人なんだけど……
でも、何やら騒がしいのはなんだろ?
別にケンカでもなさそうだし。
気になったが早く家に帰らないと今夜は最愛の息子の光が遊びに来る日だ。
でもあのツンツン頭の片方の漢になんか見覚えあるなぁ、
と思いながら手に持ったコンビニ袋の中のガリガリ君(光の大好物)
が溶けないようにとアパートに急いだ。
次の日、
出勤しようとアパートのドアを開けると、
同時に隣の部屋のドアが開く。
ここに移り住んでから早半年、
なかなか会わない住民との出会いは珍しい。
本来人なつっこい高光は
思わず勇んで……
おはよー
と声をあげかけたところで、
それは
あっ!という声に変わる
あ、この漢
昨日公園であった人だ!
そして、その背後から出てきたのは、やはり昨日公園でいっしょに見かけた漢、それも見覚えのあるツンツン頭の。
いや、これは極めて奇遇だ。
ウオ〜!
改めて、
「 おはようーっす 」
と二人の背中に声をかけると、
漢たちは隆光を振り向いて
固まった。
「 あ、あの、隣の部屋の高光っす。
昨日、公園で……いや、
げ、 げんきですかーっ 」
と余計な一言を思わず。
すると、背後にいた漢の顔はみるみる真っ赤に……
え……俺、なんかまずった?
慌てる高光。
「 高光〜
早く出ろよーー、
おれが部屋から出られないじゃん 」
高光の背後から聴こえたのは光の声。
スルリと高光の傍から出てきた光は
誰がどこからどう見ても、
バリバリの瑞々しく輝く男子高校生なのだ。
途端に、目の前の漢は眉間に皺を寄せ、
「 あんた、もっと不純だ!」
と叫ぶと、
慌てて二人でアパートの廊下を走り抜ける。
若干、背後のお隣さんは屁っ放り腰……
残された親子はただただポカーンと立ちすくみ、
二人ともに、自ら覚えのある、
"あの" どうやっても、
イタシタ、 よねーーという、
腰つきを見送った。
そして、
「 あの人、家の鍵閉めてないじゃん……
あっちは不純じゃん、じゃなくて不用心じゃね? 」
と、呟く光は、
冷静な男子高校生だった。
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ハニー様のこのお話はこちらで↓
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12名の作家様とSSクイズ企画者unkoさんへ御礼SS
尊敬する ハニー 様
unkoさん企画のクイズの当てて下さったお礼のSS送ります。
ハニー様オーラスです!
男の色気、その先の期待でゾクゾクしながら、
同時に心があったまるお話、
最後のひとことが効いてるなぁ
そして、
本当にクイズ楽しかったです。
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