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第2話
「はぁぁぁ......、緊張する......」
第一営業部と書かれたドアの前で、ふぅ.....と深呼吸をする。
ファイルや資料、ノートパソコンなどを入れた箱が一気に重く感じられる。
何せ、今日から新しい部署に配属されるのだから緊張も無理はない。
それに.......あの噂。
第一営業部の部長は、とんでもなく冷たい、雪男のような人だと聞いている。
初めから睨まれたりしないか、と思うと腹が急に痛む。
「大丈夫、ただの噂」
深呼吸、深呼吸。
よし、入ろう──────
「そこで何をしている」
「っへ」
開けようとしたドアがサッと開いた。
中からスーツを着た男がドアを開けたのだ。
「っ、すみません!」
顔を見て、ザアアと血の気が引く。
この人が......柏木雪斗部長だ.....。
散々研修中に噂話で聞いた、感情のない整った顔、ぴっちり整えられた髪、服装。
「お、俺、今日から配属されました、室田橙也です」
「知っている。さっさと入れ」
わあああ.......。
ピクリと眉が動いた。
俺、なんかいけないことしたかな.....。
俺はびくびくしながら部長が開け放した入口をくぐって中に入った。
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