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第3話

「今日から入った室田だ。室田、」 「はいっ。室田橙也です。よろしくお願いします」 「よろしく」 「よろしくお願いします」 「.....早く並べ」 「あっ、はいっ」 柏木部長の一言に、空気が凍る。 近づいて挨拶を交わしていたはずの先輩方がそそくさと離れていく。 そんなぁ。 「おはよう。今日は大事なクライアントへの説明が2件入っている。しっかり気を引き締めろ。以上だ」 無表情のままに、柏木部長が言う。 朝礼が終わって一息着いた瞬間、 「室田。このあと俺のデスクへ」 なっ、なんで!? 「は、はいっ」 慌てて返事をするが、ドキドキとしてしまう。 なんかしたのかな、俺.....。 「柏木部長、なんでしょうか......」 荷物を近くに置いて、早速部長のデスクへ近づく。 「ああ。室田の指導係だが、俺がやることにした」 柏木部長が俺の指導係か!? 「それは.......なんか申し訳ないです、俺なんか」 そう口にすると、柏木部長の眉がぴくりと動いた。 「申し訳ないかどうかはお前の飲み込みの早さで判断する。まずはデスクに自分の荷物を置いてこっちに来てくれ」 冷たい目がこちらに向けられてドキリと心臓が鳴る。 「はいっ」 俺はまだまだ緊張が解けない体でデスクを後にした。

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