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第3話
「ところでよくあんなとこに俺がいるってわかったね」
「ここから見えるんですよ。あの道。だからあぁ。困ってるなぁって思って…俺の車で牽引してきたんで車も庭に停めてありますよ」
「ありがとう。雪道は走ったことなくて困ってたんだよね」
「そうでしょうね。街から来たの?」
「うん。この辺りには20年振りくらいに来たんだ…墓参り…いきたかったんだけど…山の上だから…厳しいかなぁ…」
「…ん~。多分ちゃんと準備してけば平気です。幸い明日は晴れるみたいだし時間見つけて一緒にいきますか?山の上のお墓って廃寺になったとこですよね?」
「そうそう。知ってるの?」
「えぇ。俺はずっとこの辺りに住んでますから。ご飯出来ましたよ。食べましょうか。」
「いいの?」
「えぇ。いい猪が、取れていつもならお裾分けに行けるけど今日は無理だし…たくさんあるんです」
「猪?捕ったの?」
「えぇ。自分で捕りに行って処理してます」
「スゲー…そんなことできるの?」
「えぇ。小さい頃から回りの大人にスパルタ教育受けて。資格も持ってるんですよ」
「そうなんだねぇ。俺猪肉食べたことないかも…いただいてもいい?」
「いいですよ。じゃあ食べましょ。いただきまぁ」
「すごいうまい。勝手な偏見だけどもっと匂うかと思ってた。」
「処理がうまくいってないとそうなるんですよね。俺も慣れるまでは…うぇー…思い出したらだめですね」
「あははっ!!」
「やっと笑顔見られた。そうやって笑っていて?あと…」
そういいながら俺の重たい前髪をあげる
「やっぱり…ねぇ。六華さん。せっかく美人だからもっと髪型変えたら?」
「は?いや。それはちょっと…いやかも」
「なんで?」
「ん~この顔のせいで結構な目にあってきたからね」
「そうなの?」
そう。いじめの原因はこの顔だった。祖母と曾祖父がこっちの人じゃないので肌が真っ白で目は金色なのだ。だから気味悪がられていた。
目は金なのに髪は漆黒でしかも白い。どこか不気味だったんだと思う。だから高校からはカラーコンタクトを使ってた。
今日は休みだし前もって旅館の人には伝えてたから実は今日はコンタクトしてない。
店によるときはサングラスをかけていたし…
「気持ち悪いでしょ?」
「ううん。すごく綺麗だなあって思ったんだよね。」
「ありがとう…」
「…俺もね瞳の色違うんだよ」
「そうなの?」
「うん。ちょっと待ってね」
席を立ち洗面所らしきところから戻ってきた彼の瞳の色は
「オッドアイ?」
「はい。六華さんみたいに目立つ色ではないけど左右違うから色々ありました。たまたまこうなっただけなのにね」
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