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第1話

 貴族の血は青い――  中でもαは気高く高潔である。故に貴族はその尊い血筋を絶やさぬために近親婚を繰り返した。  ところがいつからか、いくらα同士が子をもうけてもαの子が生まれなくなった。そればかりか、αに限らず子供自体が産まれなくなってしまう。  そのうちにαの血が高潔すぎるが故に、Ωの血に汚されなければ子が産まれないのだと信じられるようになった。  そして……  貴族のために作られた新しい法により、発情期を迎えたΩは貴族の屋敷に仕えることが定められた。  表向きでは、町中で発情したΩのために混乱が起こることを避けるためだとか、労働者向きではないΩの保護だとかいう名目だった。  けれど実際は、Ωを貴族の奴隷とし、生殖のための道具とするための法だった。  ティアもまた、発情を迎え自分がΩだったと知ったその晩には貴族の屋敷に連れ去られていた。家族との別れもままならぬまま、熱を持て余した身体を開かれ、幼い身体の最奥に貴族の精を注ぎ込まれた。  戸惑い、泣き濡れながらも身体はαの精を求め狂う。己のΩという因果な性をたった一夜のうちに知った。  十一歳の秋だった。

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