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第1話

昔から不幸体質だって言われてきた 生まれる前からそれは始まっていたようで何度も命の危機にさらされてきたらしい。 色々あったけどようやく生まれ出でることができた。けど生まれてすぐから大きな手術を受けたり落ち着いたと思ったら誘拐未遂事件に巻き込まれたり… そんな赤子の頃のことなんて覚えているわけないがそんな俺だけど両親も他の親戚の人もとても大切に育ててくれた。 だから不幸体質なんかじゃないって俺は思ってる。 でもきっとそれはあいつのお陰。 あいつは生まれる前から俺の側にいた双子の弟 弟は俺と真逆だったようだ。 俺が誘拐未遂にあったときは烈火のごとく泣き出して家族に気付かせて近所の人に助けてもらえたんだ。 幼稚園に入って俺がいじめにあおうとしたときもあいつが助けてくれたんだ。 あいつは何もかもできるすごいやつで俺の憧れでもあり自慢でもあった。 責任感も強く顔立ちも整っていたあいつは昔から良くモテた。 同じ遺伝子を持ったはずなのに俺とあいつは似ていないから双子だと言ったとしてもなかなか信じてもらえなかったこともあった お陰であいつに好意を持ち告白していた人がフラれるといつも隣にいて何故か同じ家に帰る俺のせいだと言われて散々な目にもあった。でももうダメだと言うときは必ずあいつが助けてくれてた。 年を取るにつれて俺は困っても隠すことが得意になった。 張り付けたような人好きのするような笑顔を浮かべてあいつや家族には知られないよううまく対処していた。 ただやっぱり靴を隠されたり上履きにいたずらされたりするのは隠せない。 毎日登校しては鍵のかけられる個人のロッカーにしまうことにした。 良かった。うちの学校には個人個人で鍵のかけられる棚がもうけられていて わざわざロッカーを壊してまでいたずらするやつはいない。机や椅子は流石にすぐ目につくからか幸いイタズラされずにすんだ。だってそれをするやつらはあいつのことが好きだからあいつに自分の汚いところは見せたくないだろう。 部活にもお互い違うのに入ってた。運良く俺の入った部はいじめなどはない。ていうかしてる暇ないくらいの厳しさだった。 そうしてのらりくらりと高校生活を謳歌して大学にもいかせてもらえた。 第一志望は当日試験会場へ向かうために乗った電車の事故で受けることさえできなかったから第二志望の大学にはなったがまぁ現役で合格できたんだから不幸じゃない。 ただ問題は… 「おはよぉ。また一緒だね。お前は俺よりずっと頭が良いからとうとう離れるかと思ったのに…第一志望受けられなかったお前には悪いけど俺は嬉しいよ」 あいつが同じ大学にいて今は二人暮らしを始めたってこと。あいつはバカみたいに朝起きてから寝るまで俺にベッタリだ。 「どうしたの?高校の時はそんなに絡まなかったのに」 「え?だってオレのせいでお前が嫌な目に遭うのはやだよ。だから頑張って離れてた」 あぁ。そうだったのか。だから途中から嫌がらせが減ったのだ。 あぁ。やっぱりこいつに助けられてたんだ… 一人でなんとかなった気がしてたのにな 「ここは同じ高校出身の人少ないから大丈夫でしょ。ふふ…嬉しい。やっと独り占めできるね」 「何だそれ」 「残りは俺が持ってくからね」 「え?」 「何でもないよ。」 意味深なこの言葉を理解するのはもう少し後になる

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