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第11話
まずは今言ったように輝の指輪を買って、新しいお揃いのマグカップを買いに行くんだ。
休憩がてら公園で雪合戦をして、それから俺の家に寄ろう。
俺の荷物を纏めたら……そこで、輝に指輪をはめてやるんだ。
男女みたいに『結婚』っていう目に見える形で何かをすることは出来ないけど--
『俺たち、出会ってもう5年は経つだろ?そろそろ、こういう時期かな……って思ってさ』
輝からの言葉には、しっかりと答えてやるよ。
「なぁ。リビングに置いてるツリーを片付けたら、あの場所に俺の部屋から持ってくる荷物、置かせてよ」
「えっ!? 透……それって……」
「クリスマスが記念日って、祝い事が増えて楽しそうだな!」
「--っ!」
「好きなだけ閉じ込めて、変わらずにカッコつけて護ってくれるんだろ? お前の告白に答えてやるんだから、覚悟しろよ?」
「覚悟するのは、透のほうでしょ」
ガバッと勢い抱きついてくる輝。部屋には俺たちの笑い声が響く。
「なぁ、時間なくなる。早く出かける準備、しようぜ」
「そうだね。行くところもやることも増えちゃったもんね。でも……その前に--」
「merry Christmas、透」
「…メリークリスマス」
そっと触れるだけのキスをする。
今日から新しい、俺たちの日々がこうして始まったんだ--。
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