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第10話

「なぁ、腹減った。いつまでもベッドの中にいないで、飯食って外に買い物にでも行かね?」 勢いよくカーテンを開ければ、窓の外には雪が積もり、真っ白な世界が広がっていた。 「なぁ、輝っ! 見てみろよ! 雪積もってるぜ!」 「せっかくだし、買い物途中で公園に寄って、雪合戦でもしちゃう?」 いい歳した大人がなんて会話してんだ……って思うけど、こうやって冗談を言い合えることが、本当に嬉しくて幸せを感じる。 「んー、それもいいけど……まずは、輝の分の指輪、買いに行こうぜ?」 俺はもう、周りの視線なんて怖くない。自分が一番、輝の隣に立つのに相応しいって思ってる。 そんな気持ちを込めて、輝の左手をぎゅっと握る。 ちゃんと伝わったんだろう。輝が太陽よりも暖かく、優しい笑顔で答えてくれる。 「うん、そうだね。俺の分は、ちゃんと透が選んでよ」

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