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「YES」か「はい」か。

「お前、俺と一週間付き合え」 ………………はぇ?? 万智 玲(まち れい)、17歳、男。 地味で日の当たらないこの人生、立ち入り禁止の屋上に入るのも、脅迫も告白も初めての経験だ。 「……返事は」 後ろでガシャンと音を立てて歪むフェンス。 すぐ目の前にある胸元の痛々しい傷。 僕の顔の脇に左手を着く金髪の男は、学校一不真面でほとんどの生徒が目を合わせたがらないほど不良だと噂の椎奈(しいな)くん。 流石学校一、拒否を許さないような迫力のある顔だ。 僕は一体この人に何をしたんだ……? 地味を極めてる僕には告白される覚えも脅迫される覚えも全くない。 「すっ、すみません!聞き取れなかった……です…、」 「あ゛ぁ?付き合えって言ってんだよ、この距離で聞こえねぇとか聴力赤ちゃんか」 ……やっぱり聞き間違いじゃなかった。 出来れば赤ちゃんであって欲しかったけれど、 年相応の聴力を持った耳は数センチ先で繰り返された言葉をしっかり拾ってしまう。 「ッチ。……YESかはいで答えろ。それ以外は受け付けねぇ」 「へっ、それって全部はいなんじゃ」 「るっせ。ごー、よーん、」 鋭い目付き、地を這うような声でカウントダウンが始まってしまう。 こんなワクワクしないカウントダウン初めてなんですけどっ? 「な、なんのカウントですか」 「肯定とみなしてキスする。さーん、にーぃ、」 「ひぃぃ、い、いいいYES、で…」 「決まりだな」 信っじられない。 こんなに強引なうえに身勝手でなにより顔面が恐ろしい人は初めてだ……

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