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また明日

はぁ〜…… 昨日は勢いでYESって言ってしまったけれど、よく考えれば僕は椎那くんのこと何も知らない。 このまま一週間とはいえ、付き合っていても良いのかな。 あぁぁぁ……なんて無責任なことしてしまったんだろう。 『俺と一週間付き合え』 思い出しては机に突っ伏してを繰り返してるうちに放課後になっていた。 うーん…… 謝罪するには今からでも遅くないのでは…? うん。むりむりむりむり。 確実に殺される……っ 「万智」 「っひぃ!」 急に耳元で質のいい声で呼ばれて思わず上ずった声が出てしまう。 「……あぁ、悪い。大丈夫か?」 なんだ椎奈くんか…… 「って、椎那くん!?どうしてここに」 「え?別に…お前に用があったわけじゃねぇ。勘違いすんな」 僕としたことが早とちり……!恥ずかしいなぁ 「そ、そうでしたか…!ではまた明日」 ……ぁ、つい癖で手を振ってしまった 「………… 」 あわわわわ!ずっとこっち見てる……! やっぱりいきなりは馴れ馴れしかったかな。 「……また、明日な」 かっ、返してくれた・・・! 少し動きは歪だけれど、確かにその傷だらけの左手でヒラヒラっと 、まるで友達にするみたいに自然に。 「……っはい!また明日!」 それがどうしてか想像以上に嬉しくって、明日もまた話せるかなぁ〜なんて。 さっきまでの憂鬱な気はすっかり晴れていた。

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