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prologue
必ずしも敵の敵が味方になるとは限らない。
それは知っているつもりだった。
だけど、目の前に示された光を〝 運命 〟だと錯覚する程、心は疲れ果てていて。
全ては彼に図られたゲームで、自分は唯の駒なのだと ……気付いた時には既にもう、退路は絶たれてしまっていた。
【prologue】
「やっ、い…… あぁっ」
グラグラ視界が揺れている。
下半身からグチュグチュという卑猥な音が響いてくるが、感覚はもう麻痺してしまってどうなっているか分からなかった。
「使い込んでる割には…… キツイな」
抑揚無く呟く声。どんな表情をしているのかを焦点を合わせ見ようとするが、途端律動が激しくなって、それどころでは無くなった。
「ひっ…… あ、あぅっ!」
膝裏を更に引き上げられ、抉るように胎内(なか)を穿たれ掠れた悲鳴が喉を突く。こんな行為に快感など、微塵も感じられないのに……何の兆しも見せないペニスをしつこく何度も擦られる内、変な感覚が湧いて来た。
「やっ……やぁっ!」
「ちゃんと抑えとけ」
怖くなって暴れた体は、万歳の格好のまま机上へと縫い止められる。
「苦しいだけじゃ、可哀想だからな」
「いっ、やだっ…… 嫌っ!」
こんな状態で気持ち良くなんかなりたくないと思うのに……体の自由を奪われた上、巧みな手付きで否応無しにペニスを何度も扱かれて、意思に反して叶(かな)多(た)の体は快楽に縋りついてしまった。
「は、あぁっ…… んぅっ」
体の芯が熱くなる。何人もの目が見ている中、息も切らさず自分を犯す須賀が心底恐ろしいのに、強制的に注がれ続ける強い刺激に抗えない。
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