256 / 301
27
***
「っ!」
一瞬自分に何が起こったか思考がついていかなかった。否、これまでの出来事だけで既に許容量を超えている。
「あっ…あっ」
自分のペニスが悠哉の口へと含まれていく様子を目にして、叶多はたまらず腕を伸ばすと、彼の髪の毛を指先で掴んだ。
「や、やめっ……ん、んぅっ」
されたことのない行為ではないが、心境がまるで異なるだけに、申し訳なさと恥ずかしさとで心の中が一杯になる。
「あっ……あぁ!」
何も纏わず、大きく脚を広げる格好の叶多に対し、悠哉がまだ……きちんと服を着ているのにも羞恥が募り、掴んだ頭を引き剥がそうと指先に僅かな力を込めると、まるでそれをたしなめるかのように尿道口を舌でつつかれた。
「ふっ、んくぅっ」
リップ音を立てそこを吸われて、巧みな口淫に腰が跳ね上がる。
ペニスは再び緩く勃ち上がり、快感に……叶多の脚から力が抜けた。
それを見計らったかのように、太股を掴んでいた手がそこから離れ、陰嚢を包み込んでから緩急をつけて揉み始める。
「やっ……あっ、怖いっ……」
「……怖いか?」
「違うっ……」
小さな喘ぎを聞き逃さないで唇を離した悠哉の声に、叶多は首を大きく振ってから、足りなくなった酸素を取り込むようにハアハアと呼吸した。
「違う……気持ち、悦すぎて……怖い」
考えている余裕も無いから素直な気持ちが声になる。
悠哉が怖い訳じゃなく、いつになく感じ過ぎる身体が正直とても怖かった。薬を使われた訳でも無いのに、身体が熱くてたまらない。
「それでいい。叶多はただ、感じてろ」
「いい……の?」
「ああ、好きなだけ……お前はそのままでいい」
子供のような問いかけに……低く掠れた声で答えた悠哉が今度は叶多の脚を、担ぐように持ち上げた。
ともだちにシェアしよう!