「ごめんな。ホントはもっと優しくしたかった。けど……我慢できそうにない。嫌ならハッキリ言ってくれ。今ならまだ……」 「……優しい、です。嫌じゃ…ない。……僕も、貴方と……んっ…っ！」 『繋がりたい』と消え入るような声で叶多が喘いだ瞬間、ゆっくりと肉を掻き分けるように、質量のある悠哉自身が中へと挿入(はい)ってきた。 「んっ……くぅ…」 　唾液だけでは滑りが足りず、引き攣るような痛みが走るが、それよりも……満たされていく感覚に、叶多の身体は打ち震える。 　彼の片方の掌は未だペニスの根本を掴んでいるが、もう片方の指が伸びてきて、食いしばっている唇を割り開くように口内へ侵入してきた。 「息、しろ」 「ふぁっ…アァッ！」 　背中の傷をペロリと舐められ、背筋を抜けた快感に、閉じる事の出来なくなった口から嬌声が上がってしまう。 「あ……ふっ…んぅっ」 「……好きだ」 「うぅっ」 　挿入の衝撃によって萎えかけていた叶多のペニスが、悠哉の囁く言葉一つで再度硬度を取り戻し……すぐにそれに気付いた彼が、根本はしっかり戒めたまま、尿道口を器用に指先でグリグリと刺激し始めるから、ただそれだけで叶多の視界が快感の余り白く染まった。 「アッ……ウゥッ！」 「もう少し……我慢、できるか？」 「ぐっ…ふぅっ」 　久々の挿入によって軽い吐き気を覚えてはいるが、それでも止めて欲しくはないから、それをきちんと伝える為に、口内にある悠哉の指へと叶多は必死に舌を絡める。 　―― 嬉しい……から。 『勘違いでも構わない』と叶多に告げた悠哉はまだ、自分の気持ちを完全には信じてくれていないだろう。叶多自身、「好き」と言われても信じるのが怖かった。 　―― でも、だけど……。 　今、自分を抱く悠哉の気持ちにきっと嘘は無いだろう……と、重ね合わせた肌からじわじわ気持ちが伝わるような気がする。 　―― だから……貴方にも、伝わればいい。 　丹念に、夢中で指を舐めしゃぶっている叶多の耳に、唸るような悠哉の声が聞こえて身体をビクつかせると、「あまり煽るな」と色気を帯びた優しい声音が聞こえてきたから、安心して身体から不意に力を抜いたその刹那―― 。 「ア、アッ……アゥッ！」 　こまで徐々に中を満たしていたペニスで一気に奥まで穿たれ、開きっぱなしの口の端から唾液が零れてシーツを濡らした。