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「やっ……う…ん」
酔いが覚めた時、叶多はどんな表情を見せてくれるだろうか?
「どうした?」
殊更 甘く囁きかけると、不安定な体勢ながらも必死に腰を揺らす叶多が、
「……イきたい」
と哀願するかのようにこちらを見上げてくる。
長い睫毛が涙で濡れ、薄く開かれた唇は既に吸いすぎて赤く色づいていた。
「ゆうやくん……動い…くれなきゃ…やだ」
はじめて口にしたとはいえ、少量の酒でここまで箍 が外れるなんて、かなり酒に弱いのだろう。
「ホント……危ない」
今後自分と一緒にいる時以外は酒を飲ませない……と、心で固く誓いながら、下から数回軽く揺さぶると、繋がっているアナルの中が悦ぶように伸縮した。
「んっ、やぁ…もっとぉ……」
「もっと、どうして欲しい?」
意地悪な囁きと共にまだ萎えたままのペニスに触れ、そこをゆっくりなぞりながら耳の中を舌で犯す。
「アァ…ン、もっと……ズンズンって……して欲し……」
「どこを?」
「なか…お尻の……中、もっとぉ……じゃないと……」
「……ったく、可愛すぎだろ?」
艶を帯びたその囁きに……先に我慢の糸が切れたのは、意外にも悠哉の方だった。
「ひっ、あぁっ…あうぅ!」
下から何度も突き上げながら、掌の中の柔らかなペニスをギュッと強く握り締める。
「やっ……いだ…っ!ゆ…やくん、いたいっ!」
「気持ち悦いだけじゃ、仕置きにならないだろ」
「やだっ! ぼく……なにもしてない……のに」
「まだそんなこと言うんだ」
こんなグズグズになっているのに、主張を曲げない芯の強さに内心辟易しながらも……それを口実に貪っている自覚はあるから、悠哉は手から力を抜いて、そこを丁寧に扱きはじめた。
「はっ、ああっ……ん」
すると、途端にきつく締まった孔内に持っていかれそうになる。
「クッ」
それを堪えて奥深くまでを何度も何度も激しく穿つと、腕の中で華奢な体が操り人形みたいに跳ねた。
***
「ひっ、やっ……あうっ…やあっ!」
求め続けた強い刺激に、喘ぎ声を抑える事すら出来ずに叶多の体が戦慄く。
「叶多、ごめんなさいは?」
クチュクチュと耳の奥から頭へ響く卑猥な音の合間に、悠哉が囁く言葉の意味すら理解するのた困難だった。
(ど…して、僕が……)
謝らなければならないのか?
そんな疑問すら注がれ続ける愉悦の前では、曖昧な物になってしまう。
「ほら、叶多」
「ひぅぅっ…やぁ…ん、ごめ、ごめん……さい」
促すように尿道口を指先でグリグリ刺激され……痛みなのか快感なのかも分からぬ熱に腰を捩ると、悠哉のペニスが内壁を擦り、更なる深みに嵌まった叶多はとうとう彼の求めに応じて謝罪の言葉を口にした。
「何が悪かったのか、分かって言ってるのか?」
「わかんな…やぁっ、そこ、触らな…で」
「これから酒は俺がいいって言う時以外、飲むな」
「あぁっん……わかった、ごめん…さい、ねがい、離して、出ちゃう…出ちゃうからぁ」
意図してやった事では無いから、悠哉自身……理不尽な事をしている自覚は十分過ぎる程にある。だけど、酔った叶多が想像以上に可愛いのだから仕方ない。
「ココ、勃ってないけど……何が出る?」
「わかんな……や、あ゛ッ、あぁッ!!」
華奢な体をペニスが抜ける寸前まで一旦持ち上げ、そこから一気に下へ落とすと、悲鳴にも似た嬌声を上げた叶多は空で達したようで、まるで助けを求めるようにその掌が宙を掻いた。
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