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「ここを真っ直ぐ行けば校舎に着く。寮はこっちだ」 駐輪場の脇を抜け、5分ほど行くとまた門があった。続く塀はツタに覆われていて、よく言えば涼しそう。両脇に2本の桜の木が立っている。確か校舎に続く方の道も桜並木みたいだった。どっちも花はまだ蕾だ。 ここでもまた学生証を通して中に入ると、真ん中に講堂のような建物があって、囲うように4棟の寮らしきもの。 「真ん中は食堂だ。俺たちは向かって左の寮」 「食堂でかい……」 「そうだろう。400人入るからな」 自慢げに味も旨いぞ、と教えてくれた。食べるのが楽しみだ。 ところで先生たちの寮はどこにあるのだろうか。聞いてみると、ここより校舎寄りに建っているらしい。校舎と生徒の寮、どっちにもすぐ向かえるようにかな。 「50部屋あって5階建だが、堰の部屋は4階だ」 エレベーターはあるが基本使用しないらしい。だから上級生になるほど下層に行く。つまり、毎年移動するのか。あまり散らかさないようにしよう。 さてここまでで受けた説明によると、寮でのルールはこうだ。学校のように玄関で靴を履き替え、寮ではスリッパで過ごす。トイレは各階にあるが、簡単な手洗い場なら部屋にも設置されている。風呂は4階にあって、交代制。俺にとってのネックは風呂だな……。コンタクトつけたままか、目をつぶってか、どっちでも中々つらい。

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