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「あの、1つ伺っても良いですか?」 「はい、どうぞ」 「学園の経営に関わっているって……」 経営ってことは、出資とかそういうことなんだと思って、少なくとも親と同じかそれ以上の年代だろうと思っていたから。これは完全に興味本位の質問だけど。 緋吉先生はまず大きくため息を吐いた。 「なるほど……その紹介なら君の反応も納得できる……結論から言うと違います」 「そうなんですか?」 「正確には緋吉の家が関わってはいます。ああでも」 志常の外観を見て何かに似ていると思いませんでしたか?と、聞かれて、嫌な想像が浮かぶ。俺が似てると思ったものは。 「牢獄や隔離施設」 「……思いました」 頷くと、緋吉先生の手がまた伸びてきて、今度は頬、と首の境界線に触れた。どうしよう、顔がこわばる。 「昔ね、すこーしやんちゃをしてね。ここは"僕のため"に創られました」 これ、は、どう反応すれば良いのか?沈黙して、出た言葉は「なるほど」だった。あまりにひどい。 「え?信じたんですか?」 しばらく無言が続いた後、先生が驚いたように声を上げた。えっ嘘でしょ。びっくりしたのは俺ですよ。 「えっ!違うんですか?!びっくりした」 「ふふふ」 和ませようとしてくれたのだろう、そう思うことにした。

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