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健助がナスを食べ終わるのを待って部屋に戻った。できるだけ在室するようにとのことなので、そのまま2人で話して過ごす。すると13時を過ぎてから、立て続けに先輩たちがドアをノックした。部屋単位で挨拶に回っているらしい。 大体の先輩が出迎えると不思議そうな表情を浮かべるけれど、突っ込んでくる人はあまりいない。話も広がらずすぐ出て行くので、俺たちの部屋だけ回転率が良い。 「えーと、堰くんと、宗弥くんね。僕間広(まひろ)ー!よろしくよろしくー!」 「よろしくお願いします」 「……お願いします」 握手会ってこんな感じなのかなあ、なんて思いながら先輩たちを出迎えて10組目ぐらいで、副寮長が来た。明るくフレンドリーで、桐嶋に近いところを感じる。握手を交わすとぶんぶん勢いよく振られて、ちょっと酔った。 「乗堂くんから聞いてるよー。2人ともメカクレで良い子そうだって!こう見えて僕副寮長だから、なんでも相談してね」 「メカクレ?」 「メカクレ?」 聞き慣れない単語に2人して反復してしまい、副寮長に笑われてしまった。 「仲良いんだね。メカクレって、そのまま目が隠れてることだよ。ミステリアスでかっこいーよね。僕もやってみよっかな」 本当にそのままだ。納得しているとふと、開け放したままの入口から廊下を振り返って、副寮長が頷いた。もう誰か来ているのかな。 「もっと話したいけど後ろ待ってるみたいだから行くね!またねー」 「はい」 薄茶色で癖のある髪の毛がふわふわ動いて出て行って、代わりにまたノックと共に2人入ってくる。

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