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「カートンドッグ失敗したの?どんな風に?」  コッペパンに具材を挟み込みながら、過去の失敗を引き合いに上手くできるだろうかと呟いたところ、蕗口が不思議そうに訊ねてきた。  あの後起きてきた他のメンバーも含めてグループみんなでお茶を飲み、余裕を持ってキャンプエリアまで来て、和やかな空気で朝食作りができているところだ。  今の蕗口の様子からするに、カートンドッグって本来は失敗知らずの間違いない感じの料理だったんだろうか。教わった通りに作業していたと思うんだけれど、昔のことだし下手なことをしていないとは断言できない。 「焦げ焦げになった」 「ああ、何個かくっつけて焼かなかった?」  言われて頑張って思い出してみる。「テトリスだったら全消しじゃん」と誰かが言いながらぴっちり並んだ間に牛乳パックを差し込む映像が浮かんで、「なるほど」と呟いた。 「そうだった気がする」 「隙間開けなきゃ燃えすぎちゃうんだよね」  気をつけようね、と付け加えた蕗口が先生みたいで、みんなで「はーい」といい返事をした。なんとなくだけど、蕗口の機嫌が良いように思う。いつも人当たりは良いけど、今朝はとくに空気が柔らかい。このまま仲良くできれば嬉しいんだけどな、と思いながらパンにアルミホイルを巻き付けた。  出来上がったホットドッグは本当によく焼けていて、ウインナーはぱりぱり、パンも外はかりっと中はふわふわ、今まで食べた中で1番と言ってもいいぐらい美味しかった。  出だしが好調な2日目はそのままトラブルもなく、楽しく過ぎていく。

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