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「そのうち」がいつかもはっきりしない。今すぐかもしれないし1週間後かもしれない。とにかくプレッシャーをかけたいんだということはここ数日でよく分かった。
それにまだ安全だと思っていた蕗口が先に襲われたことで、他の人たちに危害が及ぶ可能性がより高くなったように思う。俺と居て誰かが一緒に先輩の所へ連れて行かれるのが最悪の想定だ。それだけは避けたい。
「もし行かなければならない状況なら、俺は1人で行こうと思う」
「賛成できない」
「あの人が他の人間を一緒に行かせてくれると思う?」
「……思わない」
もし了承したのなら、それはたぶん、人質だ。
あまりしたくはない想像ではあるけれど、目的があの時のリベンジならば時間をかけて俺を屈服させたいと考えているだろうから、うまくいけばその間に証拠を押さえ、助けも期待できるかもしれない。さすがに身ひとつで行ったら油断もしてくれそうだし。
「大人しく捕まるから、俺を助けに来て」
真っ直ぐ健助を見つめ返して言葉にした。はっきりと助けを求めたのはもしかしたら初めてかもしれない。
何度か口を開いては唇を噛み締め、やがて健助は力強く頷いてくれた。
「分かった。その代わり、必ず無事に助けられてくれ」
「ありがとう。頼りにしてる」
こんこん。
改めて対策を立てようとした時、ドアをノックする音に肩が震えてしまった。もう来たのか?無言で立ち上がり、ドアの前に立つと深呼吸をしてノブを握る。
開いた先に居た人に、一気に俺は混乱してしまった。
「どうしてあなたが」
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