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「ゆーやくん、たけるくん、来てくれたんですね!」  4組も賑わっている中、葉桜が元気に声をかけてくれた。フランクフルトを注文すると手際良くチケットと交換してくれる。桐嶋は焼きそばにしたみたい。  空いている席に座って2人で食べていると葉桜の視線を感じたので、美味しいの表明として親指をグッドにすると、ピースが返ってきた。そのまま様子を見ていると女の子のお客さんによく声をかけられている。葉桜の容姿は話しかけやすいらしい。 「人気者だ」 「あれ、女装コン出場するか聞かれてるんじゃね」  なにそれ、と思って桐嶋の方を向くと、今年の目玉として女装コンテストがあると教えてくれた。 「参加者募集のポスターとか見てない?」 「目に入らなかったなあ」  苦手な部類なので無意識で見ないようにしていたかもしれない。 「昔はイケメンコンテストやってたんだって」 「今はないんだ?」 「クレームあったっぽい」 「時代だ……」  あんま興味ないけど、と桐嶋は最後の一口を飲み込んだ。少し前にフランクフルトも食べ終わっていたので、葉桜に手を振って教室を出ると、取ってもらっておいた整理券を3組で受け取っていよいよ2組に行くことに。 「整理券配ってこの待ち列?」  この周りだけ空気が違うような気がする。学園の生徒があまり居ない。なんと言うか。 「居心地わりーな」  わはは、と笑って桐嶋が思ってたことを代弁してくれた。彼が居なかったら入るの躊躇したかも。

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