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シャツを着替え、段ボール製の斧とチェンソーを持って前半の担当者と入れ替わりロッカーに収まる。表情を見るに成果は上々らしい。
参加者はスタート時に渡された指令により、このトイレと名付けられたロッカーを叩くことになっている。本当はトイレを作りたかったんだけれど時間と段ボールが足りずでこうなった。中は当たり前だけど狭くて身動きがほとんど取れない。手も塞がっているので、待っている間はお経と悲鳴をBGMにイメージトレーニングするぐらいしかできない。
しばらくぼーっとしていると1組目のお客さんが控えめにノックをしてくれた。勢いよく開けてぶつかったら危ないので、ゆっくり開けるとロッカーの前に設置されたライトに足元から照らされる。
「呼んだ?僕と遊ぼうよ」
「ぎゃーっ!」
「ねえ遊ぼ」
「追いかけてくる!」
「わーっ!」
少し先まで追いかけて、足元を撫でる桐嶋にバトンタッチするとそそくさとロッカーに戻ってガッツポーズ。やった、怖がってもらえた……!
その後色んなお客さんが来てくれて、もちろん無反応だったり半笑いだったりする人も居るものの、思ったより怖がってくれる人が多くてすごくやり甲斐がある。ただ知り合いはほとんどが身内の学芸会を見守るような顔で、中でも乗堂寮長だけはちょっと特殊だった。
「僕とあそ……」
「みぃつけた」
かくれんぼと同じテンションでこれを言われたら脅かす側のはずの俺が悲鳴を上げかけても仕方ないと思う。寮長には少し怒っておいたけど、なぜか嬉しそうだったのでたぶん他でも似たようなことをやってるんだろうな。悪い癖だ。
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