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 愛おしい姿を眺めながら、自らのフォークでケーキを掬う。きっと、あいつからせがまれることは分かっていた。だから俺の方から先回りだ。  あいつを呼ぼうとしたところで、俺の動きに気付いたようだ。口を開けながら身体をこちらへ近付けている。 「あ~ん」  待ち構える口へケーキを放り込む。  満面のえみを浮かべながら美味しそうに食べている姿に、俺も嬉しくなる。  ふと、あいつの口の端にクリームが付いているのを見つける。きちんと口に入れたつもりだったが、うっかりしてしまった。  あいつの顎に手を伸ばして掴み、顔を寄せていく。  じっとしている顔との距離を縮める。口の端に付いているクリームに舌を伸ばし、ペロリと舐め取る。そしてそのまま唇を重ねた。

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