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2-3
ベッドの縁に、ふたりで腰掛けた。
ぐいっと沈んだところを、肩を支えてくれる。
あきの顔がちょっと近付いたので、目を閉じた。
小さなキス。
ゴールデンウィークに出かけたとき以来1度もしていなかったから、ドキドキしすぎて、それだけで倒れそうだった。
くちびるが離れたので目を開けると、焦点が合わないくらい近くに、あきの顔があった。
かっこよくて、綺麗な顔。
「きょうはキスだけ。怖いことも痛いこともしないから。ね?」
「うん……」
ちょっとだけそれ以上のことを考えていた自分を、殴りたくなった。
あきは、俺が人目を気にせずいられるところを選んでくれただけなのに。
「でも、キスはちょっと大人のでもいい?」
「おとな?」
「口あけて」
言われるままにあーっと開けると、「開けすぎ」と言ってちょっと笑われた。
「半開きでいいよ、このくらい」
言われた通りにうっすら開いた瞬間、あきの舌がぬっと入ってきた。
「んっ」
びっくりして身を引きそうになったのを、腰に手を回していた腕が、ぐっと阻 む。
あきの舌が、ゆっくりと俺の口の中をなめていて、どうしていいか分からず、じっとしていた。
「……ン」
苦しくなってあごを跳ね上げると、口を離してくれた。
「ぷは」
少し泣きそうになりながらあきの顔を見ると、優しくいいこいいことなでてくれた。
「息を止めると辛いから、鼻でゆっくり呼吸してごらん。ほら」
そう言ってまた口づけて、舌を入れてくる。
言われたとおりに鼻からゆっくり息を吸うと、さっきみたくは苦しくなかった。
何度かそれを繰り返しているとコツがつかめてきて、だんだんキスが長くなってきた。
あきの舌が俺の舌をチロチロと触ってきて、真似をして少し動かしてみると、あきが気持ちよさそうに「ん」と言った。
「絡めて」
「なに?」
「舌、絡めるの。できる?」
「分かんない」
あきは顔を離すと、自分の舌をぺろっと出して、指差した。
「追いかけっこしよう。僕が逃げるから、深澄は捕まえて?」
「うん」
分かりやすいたとえが、先生っぽいなと思った。
あきの舌が入ってきて、上あごの方をなぞる。
それを追いかけるように舌を伸ばしたら、確かに絡まった。
気持ちいい。
少しずつ息が荒くなって、あきの服を握りしめる手が強くなる。
それに、少し勃起してるのが自分でも分かる。
でもきょうはしないとあきが言ってたから、そのことはなるべく考えないように、舌の動きにだけ集中するようにした。
「は……はぁ、……っ」
チュクチュクと音がして、すごくいやらしい気持ちになってくる。
息も荒い。
あきはどうかと思って薄目で見てみると、ちょっと頬が赤くて、余裕がなさそうに息を荒げててたから、おんなじに気持ちいいんだと分かって安心した。
「ん、はぁ……っ」
我慢しても、やっぱり足の間は感じていて、ちょっと泣きたくなってきた。
つかまってるあきのシャツを両手でぎゅっと握りしめると、急にあきが、ドンとのしかかってきた。
「わっ」
思い切りベッドの上にひっくり返る。
びっくりして目を見開くと、あきのひざが、俺のふとももの間に差し込まれていた。
「ん、……や……」
身をよじって逃げようとしたけど、体重をかけられたら、俺の膨らんだ部分があきのふとももの前に当たった。
あきは、優しく微笑む。
「深澄、勃ってる」
「ん……」
恥ずかしすぎてそっぽを向くと、あきはさらに体重をかけてきた。
お腹のあたりに、ゴリッとした感触。
「……あき?」
呼ぶと、眉尻を下げてあきがこちらを見た。
「同じ」
心臓が跳ねた。
こうなったらどうなっちゃうんだろう。想像もつかない。
でもここは、子供の俺がねだらなきゃダメだと思った。
「あき、したい」
「したい?」
大きくこくりとうなずく。
あきは俺の頬を手で包んで、触れるだけのキスをした。
「でも、深澄が想像してるのと違うかも」
「それでもいいよ」
あきが俺の前髪をさらっとなでて、おでこがあらわになった。
「深澄のおでこ、さらさら。可愛い」
ひとつ、キスを落とされる。
俺の首元に顔を埋めて、耳を軽く噛んだり、耳の後ろに口づけたりしながら、ささやいた。
「じゃあ、きょうはさわりっこしよっか」
「うん」
あきは、首の後ろから喉の辺りを何度もキスしながら、Tシャツの中に手を入れてきた。
「ぁ」
驚いて身じろぎすると、手を止めて首筋にキスをしてくれた。
ふっと体の力を抜くと、またあきの手が俺のシャツの中を探り出す。
そして、右の乳首をきゅっとつまんだ。
「あぁっ」
びっくりしすぎて、大きな声が出てしまった。
あきがどんな顔をしてるかは分からないけど、耳を食みながら、乳首をつまんだり弾いたり、くにくにと押したりしてくる。
「ん、……ん」
自分でも聞いたことがない、甘ったるい声が出る。
腰がひとりでに浮いて、たぶんあきはそれに気付いてるけど、手を止める様子はない。
「……っ、はぁ、……ッ……」
こんなところが気持ちいいなんて、知らなかった。
あきは体を少し起こすと、俺のシャツをめくって、左の乳首に吸い付いた。
「んんっ……」
体がびくっとする。
ちゅ、ちゅと吸う音と、舌で転がされる感じ。
左手はせわしなく動いたままで、どうにかなってしまいそうだった。
「……っ、あき」
ぺろっとなめたあきが、顔を上げた。
「気持ちいい?」
「ん」
絶対真っ赤になってる顔で答えると、あきはまた胸に顔を寄せて……
「んンッ」
乳首を軽く噛んだ。
「ぁ、や、……ぁ」
ちゅうっと音を立てて吸い、おおげさになめる。
「ん……、ふぅ、…ん、ん……」
下が、痛いくらい張り詰めている。
「も、あき。むり」
たまらず腰を上げて押し付けると、乳首を触っていた手がそのまま下に伸びてきて、ジーパンのボタンにかかった。
ジッパーを下げられると、ほんの少し開放される。
それでも固く勃起したそれは窮屈にパンツを膨らませていて、早く触って欲しかった。
「ね、さわりっこってなに」
「いまからするよ」
あきも、自分のズボンに手をかけた。
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