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 あき先生の授業の後は、どちらから誘うということでもなく、自然とベッドに向かった。  何も言わなくてもお互いこうするつもりだったし、俺は朝のうちにシャワーを浴びて、ある程度準備も済ませてきた。 「深澄。首元のそれ、よく似合ってる」  裸の体に、細い銀のチェーン。通してあるのは、きのうもらった指輪。  小袋の中にチェーンが入っているのに気づいたのは、今朝のことだ。 「すごくセクシーで、そそられる」  ディープキスから首筋をしつこくなめられて、ちゅ、ちゅ、と降りてきたキスが、指輪をとらえた。  小さな輪っかの中に舌を差し込んで、鎖骨の間のあたりを何度もなぞる。 「……っ、はぁ」  思わず吐息を漏らしたら、あきは満足そうに笑って、胸の辺りを攻め始めた。 「あ、ん……ッ、」 「すごい、ビクビクしてる。可愛い」 「気持ちよくて……下触られるか後ろ挿れられたら、すぐイッちゃいそう」 「じゃあ、乳首だけでイッてみようか」  そんなのしたことない……というひまもなく、じゅうっと吸われた。 「性感帯が全部乳首の先っぽになっちゃったって考えてごらん。それで、なるべくいやらしい自分を想像してね」  そう言って、甘噛みしながらチロチロとなめられたら、声が裏返った。 「ぁあっ、ん、ン……ッ、はぁ」 「深澄の顔、エッチだよ。すっごく」  ほんとに、ここだけでイッちゃいそう。とんでもなく恥ずかしい。 「もうやだ、ぁ……ん、下もして」  お願いしてみても聞き入れてはくれず、指と口で乳首を刺激するだけ。 「はぁ、はあ……ン、ぁっ、イッちゃう……あぁ、」 「いいよ、ほら。イッて」 「ん、ん……っ、はぁッ、あっ……イクッ、ぁあッ……!………っ」  細かくけいれんするみたいに、体を震わせる。  でも、最後の1滴まで出たはずなのに、俺の中心は、固さを持ったままだ。 「ひざ立ちになって、手で僕の触ってくれる? その間に後ろほぐしてあげる」  ぺたんと座るあきの肩に左を置いて、体を支える。  あきは、ローションを出して俺の後孔に塗り付けあと、指を入れてきた。  俺は少し身を丸めて、右手をあきのペニスに伸ばす。 「……っ、はぁ」 「あれ、やわらかい。自分でしてきたの? えらいね」  じゅぷじゅぷと音を立てて、派手に出し入れされる。 「んン、はあっ……はあ……、ん、ぁ」  夢中であきのものをしごく。  早くこれが欲しくて、乞うような目で訴えたら、あきはクスッと笑って言った。 「もう欲しい?」  こくりとうなずく。 「いいよ。早く挿れたい。僕のこと考えながら、顔真っ赤にして自分でしてきたんでしょ? 声出ちゃった?」  口をギュッと結んで、ぶんぶんと首を横に振る。 「我慢してたんだ。可愛い。じゃあ、いっぱいエッチな声聞かせてね」  指を引き抜き、俺を仰向けに寝かせる。  コンドームをつけて俺の両足を大胆に抱えると、ぐーっとペニスが侵入してきた。 「んん、ぁああっ」 「うぁ、……深澄、中すごい」 「ん……お腹の中、あきでいっぱい」  熱い、気持ちいい。  シーツを握りしめたら、はがされて、両手ともあきに捕らえられた。  あきがゆるゆると腰を振り始めると、動きに合わせて声が漏れた。 「ぁあ、あき、好きっ……ん、すき、好き」 「可愛い。もっと言って?」 「好き……、あき、大好き……」 「深澄。大好きだよ。……、お互い好き同士。ずーっとね」  泣けてきた。嬌声と涙声が混じる。 「ぁあ、ンっ、はぁ……あき、っ」 「泣き虫さんは卒業できないね。ほら、気持ちいいところ当ててあげるから……イキたかったら我慢せずに。たくさん泣いてもいいからね」  そう言ってあきは俺の腰をがっちりと掴み、手前の1番いいところめがけてガンガンと突き上げてきた。 「ああッ、ん、んぁ……ッ、あああっ」  ぼろぼろと涙がこぼれる。  手を伸ばすと捕まえて繋いでくれたので、そのままギュッと力を込めた。  緩急つけて、イキそうになるとポイントを少しずらし、脱力すると、また良いところを攻められる。 「ぁあ……、ん、きもちい、ぁあ」 「もっと気持ち良くしてあげる」  ガクガクとスピードをつけてめちゃくちゃに突く。 「だめっ、あ……ッ、ぁあんっ、あ、もぉイキたい……っ」 「泣いてよがるイキ顔、よく見せてね」  そんな言い方、反則だ。興奮で、頭がおかしくなりそう。  本能のままに喘いだ。 「ぁああ、あん、あっ……イッちゃう、イッちゃう、ああッ、イク、ん、んぁあ……ッ!」  背を反らせ、大きく体全体がビクッビクッと跳ねて、大量の精液が飛び散る。  イッている間もあきはスピードをゆるめず、ゾクゾクする目で俺の体を凝視している。 「ぁあああ……!……イッ、ク、ぁあッ!」  何度も何度も、射精。それでも止まらない。 「ぁあっ、も、許して……ぁああ!イッちゃう、ああああっ……!」 「あー深澄、めちゃくちゃ可愛い」  何度目か分からない吐精で意識を飛ばしかけたところで、あきが、スピードをつけて奥をめがけてガンガンと突いてきた。 「ごめん、無理だ。イクね」  不明瞭な声を漏らしながら、こくっと力なくうなずく。 「…………、っ、イク……ッ!…………っ!……ッ」  強く抱きしめられて、またぐずぐずと泣き出した。

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