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第11話

「来るの早いですね。お待たせしました」 屋上に行き、前と同じベンチのある場所に行くと、先輩がいた 「いや、俺も今来たところだ」 何て、デートの待ち合わせみたいなセリフを言う事に笑いが浮かびそうだ 「何笑っている」 浮かびそうじゃなくて、既に笑っていたようだ 「いえ、ただ、デートの待ち合わせみたいな台詞だなと思いまして」と言って、先輩の隣に座る 「確かにそうだな」と、先輩も軽く笑う 「先輩、昼飯はもう食べたんですか?」 先輩が持っているのはペットボトルの水だけだった 「いや、その、屋上来るのに急いでて買うの忘れてしまった」 急いでって、別に時間指定してた訳じゃないんだし、急ぐ必要ないだろ 「じゃあ、これ先輩にあげる。成長期なんだから食べないと持たないですよ」 先程、購買で買った数量限定のカツサンドを先輩の膝の上に乗せた 「でもこれ、お前が買ってきたものじゃ」 「良いからいいから。俺はこれあるし」と言いながら海鮮丼を開けた サーモンといくらが乗ってる親子丼。サーモン好きな俺の大好物である ___うまっ やっぱ高いだけあるな 「ありがとう」 先輩が呟いてカツサンドを食べ始めた

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