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第12話※
既に一度達している雪明の中は敏感になり、快感の波が治らない。
「源さん……一回止めて、抜いて……」
「ああ?なんで」
「なんか、変……ゾワゾワして……やばい……」
「嫌だね」
源一郎はそれが何であるのか察すると、雪明の奥を何度も突いた。
「あぁっ……!やだやだ……!怖い!源さん……抜いて!」
雪明がそう懇願するも源一郎は動きを止める事はしない。
「なんか……変!あっ、あっ!」
雪明の体がびくん!と大きく跳ねたかと思うと、ピクピクと体を痙攣させている。雪明が達した事によって中の締め付けが強くなり、源一郎もその締め付けで雪明の中で吐精してしまった。
雪明の中心を触ると、そこからは精液が流れ出ている。
「後ろだけでいっちまったのか」
雪明は息を荒げ、軽く意識を飛ばしているように見えた。
「あ、はぁ……はぁ……」
「大丈夫か?」
源一郎は雪明の髪を撫であげてやると、そっと体を抱いた。
「初めて、後ろだけで……イッちゃった……」
その言葉に源一郎はギョッとすると同時に、嬉しさが込み上げてきた。
「雪……」
ぎゅっと雪明を抱きしめると、もう一度名前を呼んだ。
「雪……好きだ」
源一郎は渾身の告白をする。
「ん?」
雪明の反応がなく、次に不安が込み上げた。
「おい、雪……?」
少し体を離し、雪明の顔を覗き込むと、規則正しい寝息が聞こえた。
(寝ちまった……)
思わず頭を抱え、大きく一つ溜息を吐いた。
せっかく意を決して思いを告げたのに、とうの雪明が寝てしまってはただの独り言になってしまう。
「仕方ねぇ、また言うしかないか」
生まれて初めての愛の告白は、失敗に終わってしまった。
穏やかに眠る雪明の髪を撫で、額にかかる髪をすくい上げるとそこにキスを落とした。
その時、部屋がパッと明るくなった。
電気が復旧したようだ。どうせなら、やっている時に復旧して欲しかった、自分ので感じ快感で乱れる雪明の姿を見たかった、そんな事を思い眠っている雪明の体を見つめた。男にして華奢で細く白い肌、手足は日本人にしては長いように見える。
至る所に自分が付けた赤い跡が、そこかしこに小さい花びらのように散っていた。
女のように胸の膨らみは当然なく、中心には自分と同じものが付いている。
改めて見て、その雪明の美しい裸体に欲情が掻き立てられた。さすがに眠っているところを襲うのは気が引け、そっと布団を掛けると雪明の横に体を忍ばせた。
長い睫毛と普段勝気そうな涼やかな目元は閉じられ、頬には涙の跡が付いている。白い肌に映える赤い唇は少し半開きになっていて、赤い舌がちらりと見えた。その全てに色気を感じる。その唇に触れると親指でそっと撫でた。
雪明が目を覚ますと、真っ先に下半身の怠さに顔をしかめた。体を起こすと、昨日、源一郎に出された精液が中から漏れ、気持ち悪さと同時に恥ずかしさが込み上げてきた。
あんなにセックスで感じた事はなかった。
(本当にしたんだ、源さんと……凄かったな、源さんのエッチ……初めて後ろだけでイッちゃったし……)
思い出して、一人赤面する。
なぜか上は、身に付けた覚えのないスウェットを着ていた。どうやら、源一郎が着せてくれたようだった。だが、下は何も履いていない。
(上より下を履かせてくれよ……)
源一郎の姿はない。
時計に目を向けると、8時になろうとしていた。部屋の中が暖かい事から、停電はすでに復旧しているようだった。
怠い体に鞭を打ち、起き上がると外に目を向けた。
爆弾低気圧は昨日の深夜に抜けていったようで、外は見慣れた真っ白な雪景色。空は薄っすらと晴れているのが分かる。この分だと、日中でだいぶ雪か溶けるかもしれない。
雪明は嵐が収まった外を眺め、ハッとした。
天気が回復したと同時に源一郎は帰ってしまったのではないか、そう不安に駆らた。
焦ったように寝室を出ると、リビングを見渡した。そこにも源一郎の姿はなかった。
「源さん……?」
返事はなく部屋はしんとしている。
(まさか、帰った……?)
無性に悲しくなり涙が溢れ、思わずヘタリとその場に座り込んでしまった。
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