1 / 10
第1話 霜月晦日
霜月晦日
あなたといると、時の移り変わりを忘れてしまいます。
この世界は相変わらずです。
時が傷を癒やすと言いますが、あれは嘘です。
傷は癒やされない。
あなたの意識を奪った銃弾は、まだあなたの中にある。
護身用にと持たせた私の過ちです。
あなたの意識が戻った時に、失われた時間の慰めになればと続けてきましたが、そろそろやめようと思います。
春の終わりから綴ってきたこの日記は、今日が最後です。
ともだちにシェアしよう!
fujossyは18歳以上の方を対象とした、無料のBL作品投稿サイトです。
1 / 10
ともだちにシェアしよう!