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第2話 回顧
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「あなたを受け入れる国はどこにもない」
「分かっている」
「国が滅びれば、あなたは罪人だ」
「それも分かっている」
「だったら、なぜ」
「不敬である」
フッと口角が上がった。
……あなたは傀儡だ。
戦況は劣勢だ。降伏する以外、道はない。
あなたは、戦争を始めた軍人達が命惜しさに罪を押し付けて擁立した、お飾りの皇帝に過ぎない。
分かっていながらなぜ、即位した?
「世界を手に入れるために……」
「我が国はもうすぐ」
終焉を迎える。
「これから始まるのだよ!」
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