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可愛い君(3)
「俺、2年近くも妄想してたってこと?」
「……は?」
「俺、ずっと、戸田と付き合ってるって思ってた……」
「おい」
いやいや今のは完全に冗談だろ。しかも地球壊滅の話題は頭から消えたな。今は、俺と付き合ってるか付き合ってないかに、思考が変わってる。ああもう本当に忙しい奴。
「付き合ってないから、だから、戸田は、いつも俺に冷たいんだぁ……! うわぁぁあん」
「バカが!」
何なんだコイツは本当。
本気でそう思ってる? 冗談だって分からないのか? 付き合ってるのが横沢の勘違いなら、相当ヤバい妄想だろそれ。2年とか期間長すぎ。
コイツってマジですっげーバカ。どこでどうしたらこんなバカが出来るんだろう。
はぁ……と明らかに迷惑そうにため息をついて、目の前のバカを見れば、涙をボロボロ流してるし、鼻水もすごい。顔がべちょべちょ。……汚ねぇ。
つかココ、教室なんですけどね横沢くん。
「横沢」
「うぅ……っ」
「とりあえず教室出よう」
「ひ、ぅ……」
「お前うるさいし、汚いし。なんか色々と迷惑」
「ひど、い……、戸田の、ばかぁああああ!」
「黙れバカ。バカなのはお前だ」
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